2011 Fiscal Year Research-status Report
単純形状の組合せにより桁違いの高精度を実現するナノ精度凹曲面原器の開発
Project/Area Number |
23760135
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小森 雅晴 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90335191)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 計測 / 測定 / 原器 / 形状 |
Research Abstract |
機械装置には凹形の複雑な幾何曲面形状を有する部品が多く用いられる。このような部品は、部品表面の微細な凹凸形状が性能・品質に大きく影響する。このため、製品の検査工程において、曲面形状専用測定機や三次元測定機による形状測定が行われる。機械部品に要求される精度がマイクロメートルレベルであるため、これらの測定機にはより高い測定精度を保証することが求められる。このような測定機は、より精度の高い原器を用いて検査・校正がなされる。測定機の精度は原器の精度以上のものとはなり得ないため、原器には極めて高い精度が要求される。しかしながら、現状の原器の精度はマイクロメートルレベルしかないため、検査・校正された測定機の精度は産業界の要求を満足するものとはなっていない。このような状況を鑑み、本研究では、凹曲面形状を高精度に精度保証するための検査・校正用原器を開発し、それを用いた測定機精度検査・校正法を構築することを目的とする。平成23年度は、提案した凹曲面原器の測定状況を分析し、有効性を理論的に検証した。また、凹曲面原器の設計を行い、それに基づいて製作した。1 凹曲面の測定方式には種々の方式があるため、その調査を行った。2 凹曲面原器により曲面形状測定機を検査・校正する状況について、シミュレーションを行い、検査・校正方法を構築した。3 凹曲面原器の設計を行った。原器に適した材料・加工法を調査した。それに基づき、凹曲面原器の製作を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、提案した凹曲面原器の測定状況を分析し、有効性を理論的に検証した。また、凹曲面原器の設計を行い、それに基づいて製作した。当初の研究実施計画の通りに実施できていることから、おおむね順調に進展していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、製作した凹曲面原器を用いて、測定機検査・校正法の検証実験を行い、提案した方法が有効であることを確認するとともに、問題点を明らかにする。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に購入を予定していた、駆動装置や位置姿勢調整機器、移動運搬機器を平成24年度に購入することとしたため、次年度(平成24年度)に使用する予定の研究費が発生する状況となった。平成24年度に請求する研究費と合わせて、測定機検査・校正法の検証実験の実施費用と実施に必要となる機器の購入費用、ならびに、実験のための人件費と旅費として使用する予定である。
|