2011 Fiscal Year Research-status Report
新規差動機構を用いたデスクトップ型プレス加工機の開発
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23760136
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
關 正憲 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (10314650)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 差動機構 / ねじ / 歯車 / プレス加工 |
Research Abstract |
本研究では,新規差動機構を駆動機構として組み込んだデスクトップ型プレス加工機を開発することを目的とする.新規差動機構は差動型回転直動変換機構であり,2本の回転軸,1本の回転直動軸,これら3本の軸と螺合する接続部材,3本の軸に固定された歯車で構成される.まず,デスクトップ型プレス加工機の本体寸法や形状を検討するため,プレス加工の加圧力を最大500 kgとして三次元応力解析を行った.最大応力が発生する位置を確認し,発生応力が許容応力の範囲内となる軸の太さや支持板の厚さを設定した.さらに差動減速比と直動出力部の移動距離の関係から,リード5 mmの予圧式の精密ボールねじを回転軸と回転直動軸に使用し,モジュール1 mmの平歯車を歯車に使用した.これによって,平歯車の歯数を変えることにより,差動減速比を3~25に設定することができ,最も大きい差動減速比25のときでも直動出力部の移動距離を10 mm確保した.また精密ボールねじを平行移動させることができるように設計し,平歯車の歯数を変えても容易に軸間距離を変えることが可能である.ただし,差動減速比25の場合,直動出力部の移動距離を10 mm確保するためには,接続部材の移動距離を250 mm確保しなければならず,プレス加工機の形状は縦長になった.プレス加工機の本体は,幅300mm×高さ760mm×奥行き140mmとした.平成23年度にプレス加工機を組み立てた後,その加工性能を評価する予定であったが,プレス加工機に用いた精密ボールねじの納品に約6カ月かかり,平成23年度は加工機の組立までで終了し,加工性能の評価は平成24年度に行うことになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
応力解析による最適設計を行い,使用するボールねじや歯車の諸元を決定し,デスクトップ型プレス加工機本体の寸法を決定した.さらに,プレス加工機を組み立て,形として実現することができた.また,軸間距離の変更方法や測定センサ取付部など,プレス加工機の所々に工夫をし,新規差動機構を初めて応用した装置を完成させることができた.ボールねじの納品に時間がかかり,平成23年度に予定の加工性能評価はできなかったが,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に設計・製作したデスクトップ型プレス加工機について,平成24年度にその加工性能を評価する.具体的には,プレス加工機の加圧力,位置決め精度,静的精度などを測定する.また,厚さ1~2 mmの鋼板や非鉄金属板を被加工材としてプレス加工を行い,加工精度やスプリングバック量に及ぼす加工条件の影響について検討を行う.ただし,加工性能を評価する際,プレス加工機の改良点があれば,その都度,調整を行い,場合によっては部品の再設計・再製作,再購入を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
デスクトップ型プレス加工機用モータのデータ設定器,センサなどを購入するとともに,プレス加工機の加工性能を評価する際,装置を改良する必要があれば部品の再製作,部品の追加購入を行う.さらに,プレス加工の被加工材や,プレス加工後の被加工材の形状を測定する測定機器を購入する.また,資料収集や成果発表を行う予定である.
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Research Products
(1 results)