2013 Fiscal Year Annual Research Report
ラグランジュ形式による非球形気泡群の運動を記述する力学モデルの構築
Project/Area Number |
23760142
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
栗原 央流 大分大学, 工学部, 准教授 (90344481)
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Keywords | 混相流 / 気泡 / 解析力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ラグランジュ形式による一般性の高い表現を用いることで気泡群の力学方程式系に対する数式処理システムの高度な利用を可能とし,非線形相互作用を考慮した複数のキャビテーション気泡の運動を記述する力学方程式を導出すること,ならびにその力学方程式の導出と気泡運動の解析を自動化するツールを開発することである. 本年度は,これまでに得られた3次元空間内に存在する非球形気泡群における相互作用を考慮した非線形力学方程式系をコンピュータを用いて数値積分することにより個々の気泡の運動の解析を行った.本研究では気泡の変形を球面調和関数によって展開するが,その展開の次数は3次までとし,ひとつの気泡あたり16種の振動モードの解析を行った.3つの気泡に関する問題では合計48の方程式を数値積分することとなる.3つの気泡からなる系の3次元計算の結果,気泡の体積振動(単極モード)がより高次の変形モードを誘起することが示され,気泡群の運動に対して支配的な影響を持つことが確認できた. 現在は,この方程式系を用いてより多数(数百個から千個程度)の気泡群に対する計算を実行するプログラムを作成しており,その作業は概ね完了している.この計算にあたっては,大規模な行列の反転と大規模な微分方程式の時間積分が必要となるが,Intelのコンパイラと数値計算用コプロセッサを用いた大規模な分散処理を用いた計算を実施し,大規模な気泡群のラグランジュ的な解析を近く行う予定である.
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