2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ空間2流体流れにおける界面不安定因子特定手法の構築
Project/Area Number |
23760149
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
倉橋 貴彦 長岡工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (00467945)
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Keywords | 計算物理 / シミュレーション工学 / マイクロ・ナノデバイス / マイクロマシン / 流体工学 |
Research Abstract |
本研究は,マイクロスケールにおける2流体流れにおいて,界面不安定因子を特定するためのプロセスを構築することを目的としたものである.マイクロチップとシリンジポンプにより,マイクロチャネル内に2層流を作る場合,小さな圧力変動に対して界面が不安定化してしまう問題があったため,実験および数値解析の両面から問題解決を行った.実施においては,H23年度では,Y字合流・分岐型マイクロチャネル内二相流における解析プログラムの構築,および,合流点・分岐点を含む周辺の領域について解析を行うプロセスの構築,また実験設備の構築・マイクロチャネル内2層流における界面観察を行い,H24年度ではシリンジポンプの特性の分析およびマイクロチャネル内の固有角周波数(共振角周波数)を求めるために安定性解析プログラムの構築を行った. 検討成果としては,界面張力を考慮したCSFモデルによる非圧縮性流れ場の方程式に対して,安定化気泡関数有限要素法に基づく二流体の流れ場解析に関するプログラム構築を行い,マイクロチップを用いた実験による界面観察結果と解析結果の比較から,解析プログラムの妥当性を確認することができた.また,圧力を変数とするヘルムホルツ方程式に対する有限要素方程式について安定性解析プログラムを構築し,マイクロチャネル内の固有角周波数(共振角周波数)に関する検討を行った.同種の液体の計算条件として,流路の幅と長手方向の長さの比に対する最大・最小固有角周波数を整理したところ,幅の広い流路からマイクロスケールの幅を持つ流路になるに従い,最大・最小固有角周波数の値は非線形的に上昇する結果が得られ,また,最大・最小固有角周波数の値の差が大きくなる傾向が得られた.検討結果を踏まえ,送液波形の角周波数と安定性解析により得られた固有角周波数の値の比較に基づき,共振現象を誘発する可能性の有無を判断できると考えられる.
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Research Products
(4 results)