2012 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体デバイスによる連続的密度勾配遠心分離の研究
Project/Area Number |
23760150
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浮田 芳昭 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (40578100)
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Keywords | 密度勾配遠心法 / 希少細胞 / マイクロフルイディクス |
Research Abstract |
本課題では、密度勾配遠心法を連続的、かつ自動的に実行する流体デバイスを開発した。まず、遠心ディスク上に流路を形成し、この中で多層の流れを形成する実験を実施した。この結果では、流れが顕著な2次流れを生じ層流の縞状パターンが撹拌される事を発見した。コリオリの力に由来することは、有限要素解析と実験により実証し、この成果をまとめた論文は採択されている。コリオリの力は流れの流速と、ディスクの回転数に比例する。このためこれらを抑制する事で安定な縞状パターンを得る事が出来た。また、これとは異なる方法に於いても2次流れが抑制出来る事を見いだし、本成果は特許出願中である。遠心中の細胞分離挙動の観察のためにストロボスコープを初年とに構築したが、より微細な挙動を観察するために、本年度は顕微鏡ユニットを取り付けた「顕微ストロボスコープ」を構築した。本装置は初年度構築したシステムのCCDに同軸落射顕微鏡鏡筒を取り付けることで、ストロボ光の集光と、顕微鏡観察を実現するものである。特に、ストロボ光のスペクトルが蛍光励起に適した波長を多く含む事に着目し、蛍光観察ができる仕様にしてある。これを活用する事で、血液中に懸濁した蛍光微粒子の共同を選択的に観察する等の新規な観察手法を構築する事ができた。これを用いて、密度勾配遠心法を実施した結果。血液と密度媒体の界面に蛍光ビーズを選択的に濃縮しつつ、血球をこれらから分離して回収するできることが判った。この実験に於ける蛍光ビーズ除去率は100%であり、希少細胞抽出技術として非常に有望な技術であると言える。
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