2012 Fiscal Year Annual Research Report
2光子励起りん光の寿命法によるマイクロ流れの多変量同時計測法の開発
Project/Area Number |
23760154
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松田 佑 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20402513)
|
Keywords | 流体工学 / 流体計測 / 2光子励起発光 |
Research Abstract |
マイクロ熱流体デバイス内部での流体現象を把握するため,2光子励起過程による機能性分子の発光寿命の変化を捉えることで温度等の物理量を取得する計測法の開発を行った.2光子励起過程では,2つの光子が同時に1つの分子に吸収され,分子は励起状態へ遷移する.2つの光子が同時に作用しなければならないため,励起には非常に高い光子密度が必要であり,そのため焦点面極近傍のみでの励起・発光が可能となる.その代わりピコ秒やフェムト秒の短パルスレーザーを光源とすることで,高ピークパワーを得て励起効率を高めることができる.また1つ当たりの光子のエネルギーは1光子励起過程に比べ半分程度でよいことになり,波長で考えると約2倍の波長の光を用いることになる.以上から,2光子励起過程を用いることにより,励起・発光が焦点位置極近傍に限定され,焦点面以外の発光などの間接光の影響を除いた高SN比計測が可能になると期待される. 具体的には,PtTFPPをプローブ分子とし,これを有機溶媒中に微量混合した溶液を準備し,発振波長1064 nmのピコ秒レーザーで2光子励起発光させた.なお,PtTFPPは400 nm,530 nm付近の2つの波長に強い吸収帯を有しており,本研究では530 nm付近の吸収帯を励起している.本研究では,色素分子の2光子励起発光を確認し,その発光寿命の温度依存性を確認した. また計測の高精度化のために,新規のプローブ分子,粒子の探索を行った.特に近年注目されている量子ドットなどに代表されるナノ粒子の温度センサーとしての可能性を調査した.
|
Research Products
(7 results)