2012 Fiscal Year Annual Research Report
発電用水車のFull-Loadドラフトチューブサージに関する研究
Project/Area Number |
23760158
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米澤 宏一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00362640)
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Keywords | キャビテーション / 旋回流 / ディフューザ不安定 / 動特性 |
Research Abstract |
水力発電用水車の定格流量から過大流量運転時に,ドラフトチューブ(吸出管)で生じる,キャビテーションに起因する流体脈動【Full Load Surge】の発生メカニズムと詳細な特性を調べることを目的とし,研究を実施した.本研究ではまず駆動用ポンプ,サージタンク,ボリュートケーシング,羽根車,ディフューザ,下流タンクからなる閉ループで構成される小型の実験装置を作製し,実験を行い、また同様な系に対する非定常数値解析も実施した.その結果は以下の5点にまとめられる.(1)過大流量および部分流量いずれにおいてもサージが発生し得る.(2)部分流量のサージは,従来螺旋渦の旋回が原因であると考えられてきたが,円錐ディフューザを用いた本研究では旋回周波数とは異なる周波数のサージが観察された.(3)実験ではランナ上流のサージタンクの有無,CFD解析ではランナ入口の流量変動の有無に関わらず,過大流量,部分流量いずれにおいてもサージが発生した.これはサージの発生原因がランナあるいはそれより上流の要素にないことを表している.(4)ディフューザ出口にオリフィスを設けた場合,高流量ではキャビテーションサージが発生しなかった.したがって高流量におけるサージはディフューザの圧力回復効果が原因である.低流量では圧力変動の振幅は低下したが,サージは発生していたが原因は不明である. 次に,流れ場の安定性やキャビテーションサージの周波数の予測に必要な水車およびドラフトチューブの動特性を規定する伝達マトリックスおよびキャビテーションコンプライアンスKとマスフローゲインファクタMを求めるために加振装置を作製し実験を行った.その結果,K,Mともにキャビテーション数が低くなると振幅が大きくなるという傾向が得られた.
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article]2012
Author(s)
Koichi Yonezawa, Daisuke Konishi, Kazuyoshi Miyagawa, Francois Avellan, Peter Doerfler, and Yoshinobu Tsujimoto
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Journal Title
International Journal of Fluid Machinery and Systems
Volume: Vol. 5, No. 4
Pages: 152-160
DOI
Peer Reviewed
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