2013 Fiscal Year Annual Research Report
逆流再循環装置によるインデューサのキャビテーション不安定現象の防止に関する研究
Project/Area Number |
23760159
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 祐憲 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60314837)
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Keywords | インデューサ / キャビテーション / ケーシングトリートメント / 単独翼 / 動特性 |
Research Abstract |
ロケット用ターボポンプの開発過程で、インデューサに振動の原因となるキャビテーション不安定現象が生じ、世界的に問題となっている。キャビテーション不安定現象は、翼端漏れ渦キャビテーションと隣接翼の干渉によって生じる低周波数の不安定現象と、逆流渦キャビテーションが翼と干渉することによって生じる高周波数の不安定現象の2種に大別される。 研究代表者は、従来の研究で、周方向グルーブにより低周波数の不安定現象の抑制に成功し、また軸方向グルーブにより高周波数の不安定現象の抑制に成功している。平成25年度には、これらを組み合わせることにより、すべての不安定現象を抑制しうるグルーブの形状を数値シミュレーションにより検討した。しかしながら、これらの組み合わせには、抑制に十分な効果を見込めるものを見いだせなかった。そこで、周方向グルーブ内にスワールブレーカーを設置する方法を検討したところ、キャビテーション不安定現象の抑制に有効な流れ場を、数値シミュレーションで確認できた。今後このケーシングトリートメント(製作済み)の効果を実験で確認する予定である。 ところで、キャビテーション不安定現象の発生には、キャビテーションの動特性が関係していると考えられている。そこで、研究代表者は、極めて困難なインデューサに生じるキャビテーションの動特性の計測に取り組み、これに成功し、キャビティが流量変動や圧力変動に対し、位相遅れを持って応答することを明らかにした。また、より基本的なキャビテーションである、単独翼に生じるシートキャビテーションの動特性の計測にも取り組み、圧力変動に対して、位相遅れを持って応答することを明らかにした。今後、種々の流入条件に対して動特性を調べ、インデューサに生じるキャビテーション不安定現象と動特性の関係、およびキャビテーションの基本的な特性を明らかにする予定である。
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Research Products
(2 results)