2012 Fiscal Year Research-status Report
低温酸化反応を伴う着火核伝ぱの単純化と火炎伝ぱ形態の理論体系の新展開
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23760174
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 寿 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40444020)
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Keywords | 燃焼 / 着火 / 冷炎 / 低温酸化反応 / 火炎伝ぱ |
Research Abstract |
着火核の伝ぱは,従来の手法では乱れ場の中で同時多発的に縦横に伝ぱするため,その詳細を調べることが難しかった.本研究では申請者らが独自に開発した温度分布制御マイクロフローリアクタを用いることで,層流場に単一の着火核の伝ぱを形成する.さらに,燃料に実用液体炭化水素を用い,高圧下における着火核の伝ぱを対象とすることで,温度勾配中における低温酸化反応を伴う単一着火核の伝ぱを実現する系を構築する.これにより,従来は詳細に調べることが難しかった低温酸化反応を伴う着火核の伝ぱに関する基礎的知見を獲得し,その伝ぱメカニズムを解明することを目的とする. 昨年度は,ガソリン基準燃料であるノルマルヘプタンとイソオクタンを燃料とし,周期的に形成される着火核の伝ぱの様子を長時間露光により撮影した.また,計算規模が小さいメタンを対象に計算コードの最適化・並列化,および実験結果との検証を実施した. 本年度は,最適化・並列化された計算コードを用いて,ノルマルヘプタンとイソオクタンを燃料とした大規模数値計算を実施した.実験では,イメージインテンシファイアを用いた高速度カメラによる火炎の詳細な挙動の撮影を試みた.しかし,「現在までの達成度」に後述のように,特殊条件における流量計測に課題があり,計算結果と実験結果の詳細な検証は未達の状況にあることから,延長を申請した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
液体燃料の着火核の伝播について調べるため,燃料蒸気と窒素の混合気を高温・高圧下で作成し,本実験装置に必要な微小流量を検定された流量制御器を用いて制御する必要がある.しかし,このような条件(高温・高圧・微小流量)で動作可能な流量計の納期に時間がかかり,これに付随して,これまでに実施した計算との詳細な比較検証が遅れており,関連する学会発表の予定を延期せざるを得なくなってしまったことから,延長を申請した.
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Strategy for Future Research Activity |
燃料蒸気を含むガスの高温・高圧・微小流量条件における流量計測を完了し,高圧条件における火炎挙動の高速度撮影を行う.その後,今年度実施した数値計算結果と比較検証し,低温酸化反応の有無が火炎伝ぱに及ぼす影響を,各圧力条件ごとに調べる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
流量計測器関連の消耗品(温度計・圧力計・配管継手)および燃料蒸気と窒素ガスの混合気製作装置の消耗品(温度計・ヒーター)に充てる.また,実験と計算の比較から得られた知見を,国内外の会議で発表するための旅費に充てる.
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