2011 Fiscal Year Research-status Report
光ピンセット技術を用いた大径自由液滴の懸垂手法の開発
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23760177
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今村 宰 日本大学, 生産工学部, 助教 (50436515)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 燃料液滴 / 光ピンセット / 自由液滴 / 蒸発 / 燃焼 |
Research Abstract |
燃料液滴の蒸発,燃焼は噴霧燃焼の基礎として多くの研究が行われているが、多くの実験においては燃料液滴を空間的に固定して観察するために液滴を細線に懸垂して実験を行っており、得られた結果には細線の影響が少なからず存在する。このような背景から、研究代表者は生化学や半導体の分野で注目されている光ピンセット技術を燃料液滴の懸垂に適用し、非接触の新しい液滴の懸垂方法として提案するために検討を開始した。特に平成23年度においては光ピンセット光学系の開発、改良を通して大径の液滴を懸垂可能なシステムの構築を行った。主な進捗状況であるが、微粒化機構を改良することによって様々な物性の燃料を同様な手段で微粒化することが可能となり、正ペンタン,正ヘプタン,正オクタン,エタノール等の様々な種類の燃料液滴を本手法を用いて懸垂可能であることを示した。これは将来的に多様な燃料を用いる蒸発、燃焼試験を行うにあたり有意である。また各燃料において時間経過に伴う液滴径の減少、すなわち蒸発を確認することができた。すなわち本手法を用いての自由液滴の蒸発、燃焼試験への端緒が開けた。他方で、懸垂基礎試験を通して、懸垂および計測技術に関連する問題点を洗い出すとともに、それらの問題点の定量的な見積もりおよび可能なものについては実験装置および手法の改良を行った。具体的には特に周囲流動が液滴の懸垂に与える影響について、定量的な見積もりを行うともに、周囲流動の影響を最小限にとどめるための処置を行っている。また光学系の特性が燃料液滴の懸垂に与える影響について定性的に検討するとともに実験装置の改良を行った。なお液滴径の計測方法については議論の余地があり、液滴径の定量的な見積もりについては今後検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度に実施した試験により、様々な燃料における液滴の懸垂および蒸発の観察の可能性について確認することができ、また実験手法および装置に関わる問題点を明確にすることができたことから、研究はおおむね順調に進捗していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度においては本研究課題に関する具体的な開発項目の一つである、光源,光ピンセット光学系について順調に開発できたものと考えており、24年度においては液滴径の計測システムの高精度化および微粒化機構の改良を重点的に行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
液滴径の計測システムの高精度化を行うにあたり、撮影系の光学系を改良する必要があり、研究費も多くは撮影系の改良に用いる予定である。なお微粒化機構および点火機構の改良も合わせて行っていく予定である。
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