2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23760190
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 裕典 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70432862)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / 温度分布計測 / 電流分布 |
Research Abstract |
固体酸化物形燃料電池(SOFC)単セル内では,燃料や酸素の消費,炭化水素燃料の内部改質反応の不均一性によって,これらの濃度が不均一となり,電流分布が生じる.これにより発電が有効に行われない部分が生じたり,温度分布の発生により熱応力に伴うセルの機械的劣化が進行する問題がある.そこで本研究では,単セルの表面温度を計測し,熱伝導方程式に基づいて,セル各部の発電による熱の流入流出から,セル内電流分布要因を明確にすることを目的としている.SOFCとして,電解質薄膜化や高導電率の支持体による内部抵抗低減の観点から注目されている燃料極支持型の,円筒形マイクロSOFCを作製した.Ni/8YSZ燃料極支持体を製作し,これを8YSZスラリーでディップコーティングした後,共焼結を行った.さらに空気極としてLSMスラリーを塗布し焼成した.このセルについて,水素ガスおよび空気を供給し,800℃で電流電圧(IV)特性を評価したところ,発電電流を取り出すことができた.開回路電圧(OCV)の低下が見られたため,セルの保持治具の設計変更を行い,セルと保持治具の境界からのガスリークを低減したところ,OCVが上昇した.熱電対を空気極表面3か所に設置し,発電中の各部温度を計測することができた.IV特性から得た過電圧と発電に伴う可逆的エントロピー変化による発熱量を熱伝導方程式に代入して得た温度との比較により,電流分布を求めることができた.その結果,燃料消費により水素分圧が低下して,ガス供給の下流方向に向かって減少する電流分布が得られた.以上から,燃料極支持型円筒形マイクロSOFCの作製および計測解析手法の確立ができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
燃料極支持形マイクロSOFCおよび保持治具の作製ができ,また熱電対によるセル表面温度計測によるセル内電流分布の計測解析手法の確立ができ,燃料消費による水素分圧減少に起因するセル内電流分布を求めることができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
セルの軸方向に,空気極を分割して縞状に塗布して焼成し,分割電極を作製する.分割電極の電流電圧特性から電流分布を得る.ここで得られる電流分布と温度計測から得られる電流分布を比較し,温度分布と電流分布の関係式の妥当性を検証して,電流分布要因を明確にする.また,炭化水素燃料としてメタンの改質模擬ガスを供給して発電させ,温度計測と分割電極から得られる電流分布の比較結果から,内部改質反応による吸熱量を見積もる.これにより,改質反応速度のセル内分布を明確にし,電流分布に与える影響を明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
セルの燃料極支持体の製作費,電解質,空気極スラリーの材料費や,セルの保持治具,セル温度計測用熱電対,石英管,ガス配管等の消耗品の価格の合計が計画をわずかに下回ったため,次年度に計画しているこれらの消耗品購入費と合わせて使用する.
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Research Products
(1 results)