2012 Fiscal Year Annual Research Report
MEMS技術を用いたマイクロチャネル内沸騰流の圧力分布と気泡動的挙動の同時計測
Project/Area Number |
23760194
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
丹下 学 芝浦工業大学, 工学部, 助教 (70549584)
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Keywords | 沸騰熱伝達 / マイクロチャネル / 圧力計測 / MEMS |
Research Abstract |
本研究は、沸騰現象を用いた電子素子冷却などの応用上で問題となるマイクロチャネル内部の沸騰気泡の充満と圧力損失の増大を背景とし、気泡の動的挙動が圧力損失に与える影響を詳細に解明することを目的として実験的研究を行った。 はじめにMEMS技術を用いて、内部に多数の微細な圧力センサを持つマイクロチャネル製作した。具体的にはフォトリソグラフィ技術を用いてPDMS樹脂製の0.5mm角の断面を持つ矩形チャネルを制作し、流路中央部に0.25mm間隔で6つの瞬時局所の圧力計測が可能な圧力センサを設置した。チャネルには2つのシリンジポンプがつながれ、任意の流量比で水および空気を注入することができる。 次に、その瞬時局所圧力センサによって流れ方向の圧力分布およびその時間的変化を計測した。単相流における圧力損失は理論解とよい一致を示し、定常状態における圧力計測の妥当性を確認することができた。気液二相流実験においては、圧力損失の増大が計測され、既存の研究と矛盾のない結果が得られた。高速度カメラを用いた気泡挙動及び形状変化の観察と圧力計測の時間変化を比較することで、局所的な圧力勾配と気泡の動的挙動との間に相関を見出すことができた。具体的には、気泡の後流における圧力増大が大きく閉塞空間で気泡を押し流すために大きな圧力損失が発生し、気泡をすり抜ける液体による管摩擦が大きいことが実験的に確認された。 今後は、改良によって圧力計測部の温度管理(冷却)が可能な実験系を構築し、マイクロチャネル内沸騰二相流の圧力損失計測実験および、高速カメラ画像と瞬時局所圧力計測値との比較による圧力損失増大メカニズムの解明を行っていく予定である。
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