2012 Fiscal Year Annual Research Report
冗長アクチュエータ動的適応最適出力分配によるシステム高故障耐性化の研究
Project/Area Number |
23760199
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
星野 洋平 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90374579)
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Keywords | 機械力学・制御 / 大規模除振システム / システム冗長化 / 高故障耐性化 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、多数のアクチュエータを用いた大規模な動的制御システムにおいて、一部のアクチュエータの劣化や破損によって装置全体の性能が大きく劣化するだけでなく安定性が損なわれる問題を解決するため、装置の運動の自由度より多くのアクチュエータを用いて冗長化し、個々のアクチュエータの性能劣化や破損が生じた場合に、正常なアクチュエータのみで異常の生じたアクチュエータの欠損を補い、さらに動的に制御系を再構築することで、全体として元の性能を維持する方法を明らかにすることである。高い冗長性を有する8脚3自由度除振台実験装置を構築して研究を遂行した。アクチュエータの出力分配法の基礎となる評価関数に改良を施し、各アクチュエータ出力の分配割合を個別に変更可能な出力再分配法を構築した。さらに、冗長なアクチュエータのうち複数のアクチュエータが劣化や破損する場合でも、重み係数を更新する方法で破損アクチュエータへの出力分配割合を0とすることで、破損していないアクチュエータに出力を適切に振分けることを可能とし、装置と制御系全体の除振性能を維持できることをシミュレーションにより示した。最終年度の平成24年度には、得られた出力再分配法の実験による検証を行い、制御系全体として元の性能を回復できることが実験でも示された。成果として得られた出力再分配法は、数学的には従来の出力分配法をより一般化した方法となっており工学的な意義が大きい。また、冗長性を有する動的システムにおいて、一部のアクチュエータの性能が劣化した際に、装置を停止することなく稼働させることを可能とする重要な成果である。また、研究成果については、日本機械学会計測自動制御部門講演会D&D2012ならびに計測自動制御学会システムインテグレーション部門国際会議SII2012で講演発表を行った。また、日本機械学会論文集への投稿を行い掲載可決となった。
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