2012 Fiscal Year Research-status Report
回転軸の安定性に及ぼす軸受油膜の傾斜油膜係数の影響
Project/Area Number |
23760203
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
田浦 裕生 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (20334691)
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Keywords | すべり軸受 / ロータダイナミクス / オイルホイップ / 軸受油膜 / 安定性 / 動特性 / 油膜モーメント / 傾斜油膜係数 |
Research Abstract |
・実験面においては,昨年度開発した傾斜油膜係数の測定法の確認および測定精度の向上を行った.現在までのところ,まだ精度的に十分な結果は得られていない. ・理論面では,ジャーナル軸受の軸受面形状パラメータ(すきま比,幅径比,円弧数,予圧係数,オフセット係数など)を系統的に変化させた際の傾斜油膜係数を数値解析により求め,これより軸受面形状が傾斜油膜係数への影響を明らかにし,傾斜油膜係数のデータベースを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・理論面では,予定していた軸受面形状を系統的に変化させた際の傾斜油膜係数の計算を行い,データベースを作成した. ・実験面では,開発した傾斜油膜係数の測定法では,従来測定されている並進運動に関する油膜係数の測定よりも高い測定精度が必要となるため,軸回転時における軸受の振動レベルが従来以上である必要がある.現在までのところ,軸振動による影響の除去に時間がとられており,傾斜油膜係数の測定については測定精度上,満足いく結果が得られていなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
・実験面では傾斜油膜係数の実測が非常に難しいことから,その測定精度向上に全力を傾け,その基本性能を実験的に明らかにする.また,昨年度計算を行った軸受面形状の幾つかについては,実際に軸受を試作して実験し,数値解析結果との比較を行う. ・理論解析では,傾斜ばね係数4項,傾斜減衰係数4項より構成される傾斜油膜係数は,各項がどのように関係し,主にどの項が安定性等に影響を与えるのかなどの点で見通しが悪いことから,ジェフコットロータを対象にして,傾斜油膜係数を考慮した場合において,ラウス-フルビッツの安定判別法をベースにした線形安定限界速度式を導出し,不安定機構を明らかにするとともに,8個の傾斜油膜係数の各項が安定性におよぼす影響を明確にする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・傾斜油膜係数の測定システムの改良を行う(軸受,軸の再製作). ・昨年度計算を行った軸受面形状3つ程度について軸受を試作する.
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