2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760207
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
原田 祐志 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00456691)
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Keywords | 非線形振動 / 発電用風車 / 制振 / ロータダイナミクス |
Research Abstract |
平成25年度には,風車ブレード単体における振動抑制,洋上発電用風車の土台の制振,および洋上発電用風車の振動解析に関する研究を行った. (1)地面からの高さに依存して直線的に変化する風を受け回転する風車ブレード単体に動吸振器,および振子型動吸振器を取り付け,制振解析を行い,以下の結果を得た.(a)風の影響と,ブレードの回転による係数励振作用の相乗効果により,複数の回転速度領域において,共振ピークが発生する.(b)一つの動吸振器で複数の共振ピークをすべて低減できる.(c)振子型動吸振器は,ブレードの回転速度が小さい場合は機能しない. (2)洋上風力発電用風車の土台である浮体構造物に波の変位と傾きが正弦的に変化すると仮定した系にジャイロを取り付けた場合,固有振動数,応答曲線を求め,以下の結果を得た.(a)ローリングに対する固有振動数のみ,ジャイロの回転速度に依存して変化する.(b)浮体に作用する浮力に含まれる非線形性により,共振曲線は漸硬形となる.(c)ジャイロを回転させることにより,共振ピークの大きさが低減される. (3)洋上発電用風車において,土台と風車タワーを一つの剛体とし,三枚のブレードが取り付けられた構造物が,(1)の風,および(2)の波を受ける系を考え,応答曲線を求め,以下の結果を得た.(a)ブレードの回転速度を変化させた場合,複数の共振ピークが現れる.(b)波の周波数を変化させた場合,複数の共振ピークが現れる. 研究期間全体を通じて,陸上・洋上発電用風車に生じる振動解析,およびその制振に関する研究を行った.風車ブレードはその回転に起因して多くの共振現象が現れること,風車タワーやブレードに現れる振動を抑制するためには,それぞれ別に動吸振器を取り付ける必要があることなどを明らかにした.これらの結果を風車の設計に利用することにより,風車に生じる振動問題の解決が期待される.
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