2012 Fiscal Year Annual Research Report
マルチニードル型キャピラリを用いた液滴の自在変形によるマイクロマニピュレーション
Project/Area Number |
23760222
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 慎之介 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80550970)
|
Keywords | マイクロマニピュレータ / 表面張力 / 多自由度操作 / 微少液滴 |
Research Abstract |
(1) ニードルを従来の円筒状ではなく,円錐状に配置することでキャピラリ端面の面積を変化させることができるマルチニードル型キャピラリを試作した.円筒状に配置された直径300 μmのタングステン棒6本を,キャピラリの軸方向へ5 °傾斜させた.それぞれのタングステン棒をマイクロリニアステッピングモータで直動させることで,キャピラリ端面の直径を1.25 mmから0.85 mmまで変化させることができる. (2) キャピラリ端面の直径を1.25 mm,1.05 mm,0.85 mmとした場合の把持力の計測,把持したチップ抵抗の開放・回転動作の検証を行った.落下したチップ抵抗の質量から見積もった把持力は,平均0.1048 mN,0.0862 mN,0.0823 mNとなり,キャピラリ端面の変形による把持力制御が確認できた.そこで供給する液滴の質量を増加させ,把持したチップ抵抗を開放できることも確認できた.またキャピラリ端面を鉛直方向より60 °傾斜させた状態で,1608 型チップ抵抗,1005 型チップ抵抗の回転動作を実現した. (3) 試作したマルチニードル型キャピラリを用いてチップ抵抗のピックアンドプレース,回転動作を要するアセンブリ作業を行うシステムを構築した.まずキャピラリ径を0.85 mmにした状態で1005型チップ抵抗を把持し,指定した場所まで移動した後,液滴の質量を増加させることでキャピラリから開放した.続いてキャピラリ径を1.05 mmにした状態で1608型チップ抵抗を把持し,2つの1005型チップ抵抗の上部へ移動させた.そしてキャピラリ径を0.85 mm に戻し,把持力を減少させることでキャピラリから開放した.以上のように,従来の液体の表面張力を利用したマニピュレーション手法では困難であった対象物の多自由度操作を実現した.
|