2011 Fiscal Year Research-status Report
柔軟なばねを複合的に用いたパラレルメカニズムによる関節レス力覚提示装置
Project/Area Number |
23760225
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒田 純平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40377586)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 / アメリカ / スイス / ハプティクス / 力覚提示装置 |
Research Abstract |
本研究では,従来では高価であり広く一般に普及するには至っていない力覚提示装置に着目し, (ばねを複合的に用いたパラレルメカニズムによる関節レス機構),(圧電アクチュエータによるすべり変化型受動力覚提示手法)を提案し,これらを統合することで小型かつ安価に製造可能な力覚提示装置を開発することにより,利便性,娯楽性のみならず,リハビリテーションや障害者補助など,社会へ広く貢献する技術を提供することを目的とする.本年度は,当初の実施計画に基づき,5項目にわたり研究開発を実施した.(1)ばねを応用した機構要素解析では,新規機構を考案し,光造形モデルの試作,およびFEM解析によりその基本特性を明らかにした.(2)ばねを複合的に用いたパラレルメカニズムを有する関節レスマニピュレータ機構開発では,本課題のためのパラレルメカニズム機構を考案した.(3)解析ソフトウェアによる機構の挙動解析では,(2)で提案した機構についてFEM解析を実施した.機構の一部にねじれやすい問題が発生することが明らかになるが,基本特性には影響が無いこと示唆された.(4)MIMプロセスを応用したばね機構要素製作と評価では,MIMプロセスを用いた機構開発について,基礎試作モデルを製作,負荷試験を行った。当初予定していた機構におけるサイズでは,プロセスの特性上,材質に破断が起きやすいことを明らかにした.この点については,研究の進展により明らかになったことである.さらなる機構改良,また材質に関する検討を進めており,研究課題実施期間内に解決の予定である.(5)圧電アクチュエータによるすべり変化型受動力覚提示手法に関する基礎試験モデル製作・評価では,基礎実験装置を構築し,異なる周波数,押しつけ力を与えた場合のすべり特性の変化を明らかにした.以上のことより,当初の計画通り,研究開発項目を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては,当初の計画通り研究開発項目を実施できた.ただし,項目(4)において,MIMプロセスを用いた場合では,材質の特性に変化が生じ,当初予定していた柔軟性を素材に得られないことが明らかになっている.この点について,機構の再検討,および加工プロセスの見直しを平行して行っており,一定の見通しが得られている.よって,「おおむね順調に伸展している」と達成度を評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後も,当初計画通り研究開発を進行する.ただし,MIMプロセスに関しては,本年度の研究成果によって本課題へ応用が難しいことが明らかになった.よって,この点については,代替的な加工手法によって試作機を開発することにするよう,計画を変更して実施する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費使用計画として,当初計画通り進行する.ただし,品名・仕様に挙げたMIM加工プロセスを用いた加工は,MIM加工プロセス以外の,適した加工方法によるものと変更を予定する.
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Research Products
(1 results)