2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760233
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
神田 健介 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20446735)
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Keywords | 圧電薄膜 / MEMS / PZT / バイモルフ / アクチュエータ |
Research Abstract |
2層の圧電Pb[Zr,Ti]O3:PZT薄膜で構成されるPZT/PZTバイモルフ構造は,可動構造を電極金属薄膜を除き圧電PZTのみで構成するため,温度特性が良く,2層の圧電層により変位,発生力が二倍になるという利点があり,様々なMEMSデバイスへの応用が期待できる.しかしながら,従来報告されてきたPZT/PZTバイモルフ構造の厚さは1um程度と極めて薄いため,応用上制限があった.本研究では,PZT/PZTバイモルフをMEMS応用することを目的とし,厚膜化およびMEMSデバイス試作を行った. 2層のPZTを成膜する場合,下層のPZTは上層PZT成膜時にも熱工程を受けることや,上層PZT成膜時の下地金属(中間電極)表面の粗さが問題であった.2層のPZTおよび電極金属の成膜条件の最適化により,これらの問題を解決し,5.4um厚のPZT/PZT構造の成膜に成功した.なお,MEMS応用を目的としているため,4インチのフルウエハ上への成膜を行っている.X線による結晶構造解析,ドライエッチングによる孤立パターンやカンチレバー作製の後の電気特性,圧電特性評価の結果,従来の単層PZTと同等の特性を有しており,上下層のPZTが極めて一致した特性を持つことが明らかとなった. MEMSデバイスへの応用の可否を確認するため,MEMSミラーの試作を行った.試作においては4インチウエハ上への成膜,ドライエッチング加工を行い,バッチプロセスに適用可能であることを確認した.4mm角のチップ内に4本のPZT/PZTバイモルフはりで支えるミラーを試作し,電圧印加時の変位を測定した.単層のみ駆動するユニモルフ駆動時と比較してバイモルフ駆動では2倍の変位が得られていることを確認し,薄膜基板間の剥離やクラック等の問題も無かったことから,薄膜基板間の密着性がMEMSデバイス利用に際し十分であることを確認した.
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Research Products
(9 results)