2011 Fiscal Year Research-status Report
Twin-Frame型移動システムにおける多様的移動形態の獲得
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23760236
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
太田 祐介 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (20367311)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / 設計工学 / 制御工学 / 移動機構 / センサ工学 |
Research Abstract |
本研究では,同一機構によって歩行型移動動作,車輪型移動動作を実現するTwin-Frame型移動システムにおいて,従来行われていない,真に同一の機構を用い様々な不整地上の状況に適した移動手法を選択し移動する,という適応的移動手法を獲得することを最終目的としている.新たに開発する汎用型のTwin-Frame型移動システムでは,移動する不整地の状況に応じて適した移動方法を自律的に選択することができるようになる. 当該年度においては,腰部に直交2軸の関節のみを備えた単純なモデルを作成し,この2関節に取り付けたアクチュエータを協調して動作させることで,揺動運動から歩行動作をを実現するTwin-Frame型移動システムを作成した.実際に歩行動作が可能であることを,コンピュータシミュレーション並びに実機を使った歩行実験によって確認した.この結果は,上体の運動のみで歩行動作が実現可能であることを示している.通常の2足歩行ロボットの多くは,各関節のアクチュエータをあらかじめ決められた協調制御により歩行動作する.倒れこみを抑止する様に各関節を制御しながら歩行するため,エネルギの損失が大きい.しかし実際の人間の歩行では,体の持つ質量を利用して倒れこむような動作を周期的に行い,エネルギ消費を少なく抑えている.本結果は,少ない自由度すなわち少ないエネルギー消費で,本体の揺動運動を効果的に使用することにより,人間の歩行動作と同様の原理による歩行動作の実現可能性を示唆している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来行われていない,真に同一の機構を用いた様々な不整地上の状況に適した移動手法を選択し,適応的な移動手法を獲得する手法を検討するため,現在までに単純な構造で多彩な移動手法を実現するためのTwin-Frame型の移動システム2種類を作成した.1つは,単純な構造により,歩行動作を実現する機体であり,重心位置を2自由度で励振させることにより本体に揺動動作を誘発させ,これを効果的に利用することで3次元平面内をある程度の制約条件下で自在に移動させる可能性があることを示すものである.なおその制約条件の追求に関しては現在研究を行っているところである.またもう1つは,全6自由度を有するTwin-Frame型の機体である.これは移動のための運動制約条件を若干緩和したものである.歩行運動実現のための軌道生成パターンは少なくとも現在の所,数種類に及ぶことが確認され,現在適切な運動パターン生成に関する研究に着手し始めたところである.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られた結果を基に,自律的な移動形態の選択法に関する研究を遂行する.そのために,多様的な移動形態に関する移動効率・速度などの指標に対する測定を行う.そして,主に歩行型・車輪型の2種類のから適応的に移動手法を選択するための手法開発に関する研究を行っていくこととする.また,これらの手法を実際のロボットで具現化するために必要な現実的な問題としては,自己姿勢や接地状況を判断するための信号処理技術であると考えている.中でも,脚の切り替え時や歩行と車輪移動の切り替え時など,接地状態が大きく変化する際に加わる衝撃力に対する力覚センサなどの信号処理が重要であることが分かりつつある.そのため,ある程度の大きさを有する機体を作成し,実際にそれらを制御しながら対地適応性向上のためのセンサ信号処理技術を確立していく.最終的には,開発したこれら全ての技術を集約し,不整地上において歩行動作と車輪型移動動作を自律的に切り替え移動していくロボットとして結実させる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
始めに,現在までに得られた知見並びに現在解析中に結果より,同一機構を用いた車輪型・歩行型の切り替え運動を実現する機体の作成を行っていく.基本的な機械加工等については学内組織を有効に活用し使用して行っていく予定であるが,特殊な加工を要する部品に関しては,外注する予定である.また目的とする運動を実現するための重要な要素として,姿勢センサや接地状況を判断するための力覚センサと,その信号処理技術にあることが分かってきた.そこで適応的な移動を実現するための適切なセンサと姿勢制御系に関して,実験装置を試作し検討を行っていく予定である.最後に,上記技術を集結させ,研究目的を実現させる移動体の実現を図る.
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Research Products
(1 results)