2011 Fiscal Year Research-status Report
ダイナミック特性を考慮したハイブリッド型顕微作業システムに関する研究
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23760239
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
見崎 大悟 工学院大学, 工学部, 講師 (00361832)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | バイオテクテクノロジー / マイクロマシン / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
本研究では,顕微作業システムの作業効率を高めるために,液架橋力と入力インターフェースの動特性に着目したマニピュレーションの開発および基本特性の解析を目的とする.静的と動的の液架橋力から発生する引き上げ速度による液架橋力の差を用いた,対象物とする微小物への負荷が少ない,ハイブリッド型マニピュレータの開発と基本特性の解析をおこなう事を本研究の目的とする.以下に本年度の研究成果を列挙する.(1)液架橋力の動特性を利用したマイクロパーツハンドリング装置の設計・製作:液架橋力の動特性を測定するために,これまで利用してきた顕微作業システムのハンドリング部分の機構の改造をおこなった.また,圧電振動板をもちいたマイクロインジェクタを作成し,マニピュレーションに利用する液的の吐出, 吸引速度を変更できるように改良した.(2)精密電子天秤による液架橋力の計測:精密はかりの上にシャーレと微小球を載せ,微小球とシャーレを両面テープで接着した上で,微小球とキャピラリの間に液架橋を生成し,そこからキャピラリを引き上げ液架橋が切れるまで精密はかりに作用した力を計測した.(3)マイクロパーツのパーツのマニピュレーション実験:提案した装置をもちいて100μmサイズのμパーツのマニピュレーションの実験を実施した.これまでのシステムでは,作業に時間を多く必要としていた,マイクロパーツのプレース作業に対して,本年度実施した装置の改良が有効に働き,顕微鏡下での組み立て作業の時間を大幅に軽減することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験装置の作成および液架橋力の測定実験および評価実験など,おおむね計画通り実施することができた.マニピュレーションの動特性を検討するにあたって,計画では,VCMをもちいたマニピュレータの作成を考えていたが,基礎実験により提案手法のみでは,引き上げ速度や位置決め精度で,期待する結果を得ることができないことがわかった.そのために,マイクロインジェクタによる改良や,キャピラリの改良により目標とするマイクロパーツのピック&プレース作業の改良について実施をすることができた.現在は,さらにアクチュエータの変更や機構の変更などで顕微作業の効率を向上させることを考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に得られた結果を基にして顕微作業システムのインターフェース部分の構築をおこなう.また,マニピュレータ駆動のアクチュエータの選定については,引き続き検討をおこない,十分な性能を得られるよう改良をおこなう. 最終的には,提案した手法を,操作性および作業時間の視点から,微小パーツのアセンブリや生体組織の操作などについて実用的に利用できるか否かについて,現場の意見を参考に,検討をおこない改良を加える.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は主に下記の点を中心に使用する.・実験装置の改良:顕微作業システムのマニピュレーション部の改良をおこない,利用者がよりストレスなくマイクロパーツを作業できるような性能を目指して改良をおこなう.・顕微作業システムのインターフェースの開発:現在のシステムでは,操作にある一定の熟練が必要であるために,より簡単により正確に顕微作業を実行できるよう,インターフェース部分の改良をおこなう.・アクチュエータ関連の学会での発表および情報収集:Actuator2012および精密工学会で発表,討論,情報収集をおこなう.
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Research Products
(2 results)