2012 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能MRI画像計測のための高感度な折り畳み式マイクロコイルの研究
Project/Area Number |
23760240
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
土肥 徹次 中央大学, 理工学部, 助教 (20447436)
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Keywords | マイクロ・ナノメカトロニクス / マイクロセンサー / 医用マイクロ・ナノマシン / 核磁気共鳴画像(MRI) / MEMS・NEMS |
Research Abstract |
平成24年度は,高分解能MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像計測のための高感度な折り畳み式マイクロコイルとして,3次元構造を持つ円錐型マイクロコイルの試作手法を確立し,試作した円錐型マイクロコイルによるMRI画像計測を行った.試作した円錐型マイクロコイルは,直径30mm,高さ8mmであり,内視鏡などの先端に配置して手術中に局所的に高分解能なMRI画像を取得することを目的としている.ここで,高分解能な画像を取得するためには,MRI信号計測用のコイルの受信感度を向上させることが必要であり,そのためにはコイルの抵抗値減少と,巻き数の増加が必要である.しかし,これまでの2次元的な構造のマイクロコイルでは,コイル抵抗を低減するために導線の線幅を太くすると巻き数が減少し,巻き数を増加させるために線幅を減少させると抵抗値が増加するという,トレードオフの関係にあった.これに対し,2次元の平面型コイルを展開させることで3次元的な構造を持つ円錐型マイクロコイルを実現した.この際,コイルにピッチ保持具を持たせることで,等間隔な線間隔を持つコイルとすることができ,近接効果よる抵抗値上昇を低減することで,2.14 Ωと低抵抗なコイルを実現できた.さらに,インダクタンス1.29 μH,自己共振周波数150 MHzの電気特性を持っていたが,コイルの線間隔を一定とすることで高い自己共振周波数を実現できた.最後に,試作したマイクロコイルにより,MRI画像計測実験を行った.計測対象として水ファントムや,オクラ,うずらの卵の画像計測を行い,高いSNR(Signal to Noise Ratio)で画像計測ができること,深さ方向に深い画像計測ができることを確認した.以上より,3次元構造を持つ円錐型マイクロコイルにより,高分解能なMRI画像が取得可能であることを示した.
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