2012 Fiscal Year Annual Research Report
受動性に基づく二足歩行ロボットのバランス・歩行制御
Project/Area Number |
23760245
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小澤 隆太 立命館大学, 理工学部, 准教授 (40368006)
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Keywords | 二足歩行ロボット / バランス制御 |
Research Abstract |
本研究では、2足歩行ロボットのバランスと歩行を制御するための新しい制御方法を開発した。従来のほとんどすべての2足歩行ロボットの制御系では、力センサ情報やロボットの動力学モデルが必要とされる。しかしながら、これらの情報やモデルを正確にとることは難しい。また、足が地面に接地されていないことから生じる劣駆動性のため、制御系の構築が難しくなる。 本研究では、ロボットの重心・幾何学情報と姿勢角センサのみから、重心位置および上体の姿勢を直接フィードバックして安定化する新しい制御方法を開発した。開発手法の特徴は2段階に分けた制御系の実現方法にある。まず、物理的に装着が不可能な上体への直接的な入力を仮定した上で制御系の設計を行う。しかしながら、この制御系はロボットの物理的な制約から実現不可能である。 そこで、その制御入力の供給に必要なエネルギーと等価の供給エネルギを実際にロボットが生成可能な関節の制御入力だけで生成できる特殊な物理変換を利用する。この物理変換の発見により、簡単だが実現不可能な状態で制御系を設計し、その後、実現可能な制御入力に変換することで安定なバランス制御を実現する。また、この制御入力と足裏の拘束条件を連続的に切り替えることにより、その場での足踏みや準静的な歩行制御が実現可能である。 これらの実装には、上体の姿勢を推定する必要があるが、慣性センサから姿勢推定する方法の開発も行った。 これらの手法の有効性を、シミュレーションおよび実機実験により検証した。これにより、提案手法が力センサ等を用いなくても十分バランスの安定化が可能であること、また、地面の傾斜などの変化に足してもロバストであることを確認した。
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