2013 Fiscal Year Annual Research Report
高温耐久低摩擦多元素金属窒化物膜形成に向けた小型フィルタードアーク蒸着装置の開発
Project/Area Number |
23760258
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
田上 英人 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50580578)
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Keywords | 電気機器工学 / 電力工学 / 真空アーク放電 / 金属窒化物膜 / 元素分析 / フィルタードアーク蒸着 |
Research Abstract |
これまでフィルタードアーク蒸着(FAD)装置は,アモルファス炭素膜形成がメインであり,金属薄膜を形成するには困難であった。前年度までにおいて,新規に作製したダクトを用いて,窒化クロム(CrN)膜については,薄膜形成に成功したが,窒化アルミクロム(AlCrN)膜については形成が困難であった。これまでの結果を踏まえ,本年度は以下を実施した。 (1)更なる放電の安定化:これまで,放電はアーク電流50 A~80 Aで実施していたが,放電を安定させるには,アーク電流を大きくすれば良いことはわかっている。しかしながら,アーク電流を大きくすると,冷却能力以上の熱が発生してしまう。そこで,アーク電流を変化させ,目標とする放電時間60分において,過剰な熱が発生しないアーク電流を探索したところ,100 Aまでは放電可能であると明らかになった。また,100 Aにすることで,放電が安定することがわかった。 (2)CrN膜における成膜速度向上:前年度において,成膜速度が5 nm/minと遅いことが問題となっていたが,アーク電流を大きくすることで成膜速度が向上することがわかった。しかしながら,プラズマ輸送条件が最適でなかったため,予想していた2倍とまでは向上せず,7~8 nm/min程度の向上であった。プラズマを成膜チャンバへ輸送する際に,輸送途中で損失している可能性が大きいため,輸送条件の最適化が今後の課題となった。 (3)AlCrN膜の形成:前年度において,窒素が膜内部に含有しない問題が生じた。今年度,アーク電流,プラズマ輸送条件を変更し,膜形成を実施したが,膜内部の窒素含有量はほぼ0%であった。現在,Tダクトとチャンバの境界から窒素を導入しているが,アークソース部から導入すれば違う結果であるという指針を得ることはできた。。今後の課題としては,窒素導入部の違いにおける,形成膜内部の元素分析の比較である。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Development of Uniform Coating Technique of Tetrahedral Amorphous-Carbon Film by T-shape Filtered-Arc-Deposition with Deflected Plasma beam and Multi-Motion Substrate Holder for Semispherical Object2013
Author(s)
H.Tanoue, H.Okuda, M.Hosoo, Y.Suda, H.Takikawa, M.Kamiya, M.Taki, Y.Hasegawa, N.Tsuji, A.Saleh
Organizer
ICMCTF2013
Place of Presentation
Town and Country Hotel, San diego, CA
Year and Date
20130429-20130503
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