2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760262
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
富田 健太郎 九州大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70452729)
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Keywords | 減衰アーク / 遮断器内アーク / トムソン散乱 / 電子密度 / 高分子材料 |
Research Abstract |
本研究では、電力用ガス遮断器の環境負荷低減と国際競争力強化を目的として、遮断ガス及び消弧室を構成する部材に新しい材料を用いた時に、どのように遮断性能向上が図られるかを、遮断性能を決定づける遮断器内アークの基礎特性(アークプラズマの電子密度・電子温度、特に電子密度)を、レーザートムソン散乱法を用いた測定で明らかにすることを目標としている。 研究は、まずはアーク放電発生装置、および微弱なトムソン散乱光を検出するための、特殊な分光器の作製から行った。アーク放電の発生は、対向電極(電極間隔1mm)を用いて行った。装置規模の関係上、電圧・電流のピークはそれぞれ8kV、800Aと、比較的小規模とした。このアークの減衰過程(減衰時定数は25μ秒)における電子密度・電子温度の時間変化を、トムソン散乱法で計測した。 ガス種によるアーク放電特性の変化を調べるために、真空容器内に1気圧の空気・二酸化炭素・窒素を封入し、トムソン散乱計測を行った。また、電極周辺材料の違いによるアーク特性の変化を調べるために、電極(タングステン製)の周辺に高分子材料(PTFE)を付与した場合の計測も、併せて行った。 実験の結果、ガス種やPTFE材料の有無で、電子密度や電子温度の時間・空間変化に大きな差異が現れる事が確認できた。現状では、遮断器内アークとは電圧・電流をはじめ、動作圧力範囲やガス吹付けの有無などで、状況は大きく異なるが、ガス種の変更や高分子材料の混入で、アーク遮断の成否に大きく関与する電子密度・電子温度の違いが実測できたことは、基礎資料として価値があるものである。
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