2012 Fiscal Year Annual Research Report
電機子鎖交磁束に同期した座標上での高効率広範囲可変速運転のための制御法の構築
Project/Area Number |
23760268
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
井上 征則 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50580148)
|
Keywords | 指令値計算法 / モータモデル / 電機子鎖交磁束 / 直接トルク制御 / 高効率運転 / 広範囲可変速運転 |
Research Abstract |
高効率運転のための最大トルク/電流制御について、トルクから電機子鎖交磁束を得る手法を新しく構築した。従来では、ルックアップテーブル等を利用して事前計算で得られた特性を元に算出していたのに対し、新しい手法では、リアルタイムにトルクと磁束の関係を得ることができるようになったため、一般的なモータで考慮すべきインダクタンス変動を容易に反映できるようになった。また、広範囲可変速運転のための最大トルク/磁束制御について、永久磁石同期モータのように運転状態によって最大トルク/磁束制御を満足する最大トルク角が変化する場合においても、電機子鎖交磁束から計算される制限トルクによってトルク角を間接的に制御できることを明らかにした。シミュレーションと実機実験の両方を実施し、直接トルク制御に基づくモータ駆動システムに適用した場合に、高効率・広範囲可変速運転が可能であることを確認した。ただし、上記の制御手法については現状ではモータ駆動システムで一般的に用いられるd-q座標上でのモータモデルを基にしており、インダクタンスの測定が従来と同様に必要である。パラメータ変動を考慮するために、d,q軸インダクタンスの詳細な特性が必要となることが課題として残っている。 一方、当初の計画で予定していた電機子鎖交磁束に同期した座標上でのモデル構築については、三角関数を利用することにより、最大トルク/電流制御を満足するトルクと磁束の関係を簡潔な式で表現できることを明らかにした。新しく構築したモデルでは、磁気飽和によるパラメータ変動を考慮することができた。実機実験を行った結果、新しいモデルは永久磁石同期モータと同期リラクタンスモータの両方に適用できることを確認した。新しいモデルの構築が研究期間後半に完了したため、モータ駆動システムに適用できる制御則への変形は今後の課題である。
|
Research Products
(4 results)