2013 Fiscal Year Annual Research Report
伝送周波数無変換を特徴とする高効率で安全な深部癌温熱治療用電力伝送システムの研究
Project/Area Number |
23760269
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
柴 建次 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (10343112)
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Keywords | エッジ効果 / ファントム / 容量結合 / ハイパーサーミア / ワイヤレス電力伝送 |
Research Abstract |
深部癌の治療のために,人体の加温方法における表面電極を用いた手法として,ワイヤレス電力伝送と組み合わせ,生体を一対の電極で挟み込み電極間に高周波電流を流すことで発生する誘電損失によって癌組織を加温し治療する方法(誘電加温法)を完成させた. まず,ワイヤレス電力伝送に関しては,磁界を用いることで,正常な生体組織を加熱することなく,体内に埋めたフレキシブルリング型受電コイルに電力伝送できることがわかった.さらに,フレキシブルリング型受電コイルで受け取った電力を,エッジ効果を抑制する絶縁シートを取り付けた埋込電極に印加することで,局所加熱が可能か調べた.MRIベースの詳細な人体モデルを用いて電磁界解析及び熱解析において加熱を評価した結果, 8MHzの電磁界を用いて加熱したところ1.5 °C-4.5 °Cの温度上昇値を得ることができ,ハイパーサーミアとして高い効果があることが確認された.また,寒天からゲル状ファントムも試作し,このゲルファントムの性能を実験的に確かめると共に,上述の電極でゲルファントムを局所加熱できるかどうか確かめた. さらに,体内の遠隔温度計測もハイパーサーミアで重要な技術であるが,これについても検討を行った.容量結合型ワイヤレス温度センサ基板を作成し,体内深部15cmからでも,体表面まで温度情報を伝送できるシステムを開発した.これにより,従来は不可能であった深部からでも,ワイヤレスで温度上昇が可能になった.
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