2012 Fiscal Year Research-status Report
マグネシウム系薄膜による表示デバイス開発のための基礎研究
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23760279
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
清水 英彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00313502)
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Keywords | Mg系水素吸蔵合金 / 調光ミラー / 触媒 |
Research Abstract |
Mgを室温にて水素化するためには,Mgより低エネルギーにて水素化する材料が膜内部に必要である。一方,Mg系水素吸蔵合金には,水素と結合する物と原子間に水素が入り込む物とがある。Mg-NiやMg-Cuは,水素と結合する水素吸蔵合金である。そこで,原子間に水素を取り込むMg-Znの薄膜の検討を行った。その結果,様々な条件にてMg-Zn薄膜を作製したが,全く調光ミラー特性を示さなかった。このことから,原子間に水素が入り込むMg系水素吸蔵合金には,Mgを水素化する触媒として機能しないことが分かった。また,Mg系水素吸蔵合金は,水素を取り込ませるとMgが発熱するのに対し,NiやCuは吸熱し,TiやV,希土類金属は発熱する。これらが調光ミラー特性とどの様に関係するかを調べるため,現在はMg-Feに関して,検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検討がやや遅れているものの,Mgを室温にて水素化するための組み合わせる金属に関して,どの様な金属が良いかの方向性を見いだすことができた。また,エレクトロクロミックデバイス作製のための有機材料の検討及び膜作製準備も進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
表示デバイス用Mg系薄膜材料の探索では,Mgに組み合わせる金属の発熱,吸熱に注目し,調光ミラー特性に優れている金属の検討を行う。また,エレクトロクロミックデバイスの作製では,フラロシアニン,パラフィンなどの有機材料を用いて検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に用意した材料以外の研究に必要なターゲットや有機材料等を購入する。旅費については,応用物理学会や電子情報通信学会研究会などにて研究成果を発表するために使う予定である。さらに,作製した膜の分析のために東京工芸大学行くためにも使う予定である。印刷費及び研究成果投稿料は,研究の成果を,区切りの良い所までまとめ,論文として投稿するのに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)