2012 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化下地層を用いたフェライトナノドットの形成と超高密度磁気記録媒体への展開
Project/Area Number |
23760280
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
安川 雪子 信州大学, 工学部, 特任助教 (10458995)
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Keywords | 磁気記録材料 / 情報ストレージ / フェライト / ナノドット / 自己組織化 |
Research Abstract |
マグネトロンスパッタ法により、安価で工業的に汎用されているフェライトのナノドット自己組織化構造を作製した。このフェライトナノドットをハードディスクドライブ用の垂直磁気パターン媒体へと展開するための基盤研究を行った。本研究では、自己組織化Auナノドットを用いてこれをフェライトの下地層テンプレートとして利用した。 加熱した基板上にAuをスパッタすることにより、Auは薄膜状ではなくナノドット状の自己組織化構造を形成した。高周波マグネトロンスパッタ法で作製したAuナノドットは平均粒径が約4 nmであった。この自己組織化Auナノドット上にSrフェライトをマグネトロンスパッタ法で堆積した。上層のフェライト層は下地のAuの構造を反映し、粒径約20 nmのナノサイズの自己組織化ナノドット構造を形成した。基板に直にSrフェライトを堆積すると、Srフェライトは薄膜状となり、様々な形状のマイクロサイズの磁区構造を形成した。一方、Auナノドット自己組織化構造上に堆積したSrフェライト自己組織化ナノドットの磁区はナノレベルに微細化し、Srフェライトナノドット1つがほぼ単磁区構造となった。さらに、Auナノドット上では基板上よりもSrフェライトが選択的に結晶化、すなわち磁性体化することを直接的に観察した。 以上より、Auナノドット自己組織化構造を利用し、ナノレベルで結晶化したSrフェライト(磁性ナノドット)と、基板上にナノ領域の非晶質Sr-Fe-Oから構成される自己組織化Srフェライトナノドット構造を作製した。作製した試料は薄膜状のSrフェライトより飽和磁化が小さいものの、室温において磁化曲線を示し、磁気記録パターン媒体の展開への可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)