2013 Fiscal Year Annual Research Report
抵抗変化型不揮発性メモリの基礎物性と抵抗スイッチング特性との相関
Project/Area Number |
23760282
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西 佑介 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10512759)
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Keywords | 不揮発性メモリ / 抵抗変化 / 酸化物 / スパッタ / フォーミング |
Research Abstract |
本研究では、抵抗変化材料としてNiOおよびTiO2を用いたReRAMに関して、抵抗変化材料の基礎物性と抵抗スイッチング特性との相関を調べてきた。主な成果および実績は下記の通りである。 最終年度の成果として、Pt/NiO/Pt積層構造における抵抗変化特性に対するNiOの膜厚依存性から、フォーミング時における導電性フィラメントの形成領域は、NiO薄膜に比べて十分薄い領域であることなどが示唆された。また、NiOの酸素組成は、粒内ではなく粒界における組成の違いが決まることをTEM組成分析で確認し、粒界がフォーミングにおける導電性パスになりうることがわかった。さらに、交流電気伝導や温度依存より、高抵抗状態においてもフィラメントがNiO領域を貫通して形成されているという新たな知見が示唆される結果が得られた。 期間全体を通した成果として、NiOの酸素組成の増大に伴い、下部Ptの結晶性を引き継ぎ<111>配向の柱状構造を示すNiOの圧縮応力が増大し、フォーミング電圧が増大する傾向が示された。下部電極と抵抗変化材料層との相互作用が抵抗変化特性に影響を与えることを示唆している。フォーミング特性評価として、定電圧印加時およびランプ電圧印加時のフォーミング時間依存を調べた。フォーミング時の導電性フィラメント形成の起源であるNiO薄膜中の点欠陥がポアソン分布に従うという、Si-MOSにおける絶縁破壊との類似性が示された。 一方、Metal/TiO2/Pt積層構造において、8種類の上部電極金属材料を用いた結果、抵抗スイッチング特性には電極金属とTiO2抵抗変化材料との界面における酸化還元反応が大きく関わることが示された。特に上部電極にAgを用いた場合、固体電解質で報告されているようなCBRAMと類似のバイポーラ型抵抗スイッチング特性が確認された。
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Research Products
(8 results)