2012 Fiscal Year Annual Research Report
ビスマスフェライトにおける新規ドメイン構造に起因する物性の解明
Project/Area Number |
23760290
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
中嶋 誠二 兵庫県立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80552702)
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Keywords | BiFeO3 / ドメイン構造 / 薄膜 / スパッタリング |
Research Abstract |
平成24年度は、菱面体晶・巨大正方晶歪BFOおよびそれらの混相薄膜を作製し、ドメイン構造に起因する物性を詳細に明らかにすると共に、デバイス応用に向けた基礎データを得る。 ①. 高品質BFO薄膜の作製とドメイン構造制御の検討 巨大正方晶歪BFOと格子定数が近いLaAlO3単結晶基板を用い、高品質BFO薄膜の作製を試みた。その結果、基板温度650℃において、極めて高品質な巨大正方晶歪BFO単層膜の作製に成功した。原子間力顕微鏡により表面形状を観察したところ、LaAlO3基板のステップアンドテラス構造に起因した表面形状が得られており、X線回折からも膜厚に起因する干渉ピークが確認でき高品質薄膜が作製できていることが分かった。また、膜厚を増加させることで、菱面体晶・巨大正方晶歪BFO混相膜となることを確認した。 ②.ドメイン構造に起因する物性の評価 走査プローブ顕微鏡(SPM)(現有)を用いてドメイン構造を評価したところ、菱面体晶・巨大正方晶歪BFO混相膜において8~10°傾いたドメインが存在することが確認出来た。このことはX線構造解析においても確認できている。これらの光起電力効果を測定したところ、巨大正方晶歪BFO単相幕に比べて、菱面体晶・巨大正方晶歪BFO混相膜の方が大きな光起電力を呈することが分かった。このことはドメインウォールの機能性を用いた新規デバイス創出の足がかりとなると考えられる。 ③.研究総括 平成24年度は、研究成果を学術論文2編にまとめた。また、1編の論文を投稿予定である。さらに、国内学会6件、国際会議4件にて成果を発信した。
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