2011 Fiscal Year Research-status Report
液晶複合レンズを用いた3次元顕微鏡システムの開発研究
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23760301
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
河村 希典 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90312694)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 液晶 / レンズ / 顕微鏡 / 焦点可変 |
Research Abstract |
【液晶レンズおよび複合レンズの設計・試作・評価】:3次元顕微鏡システム内に用いる焦点距離可変機能を有する円形パターン電極構造の液晶レンズの設計を行った。その設計に基づいて液晶レンズの試作を行った。今年度消耗品で申請している光学部品・電子部品等を用いて「液晶複合レンズ用の光学位相解析・空間周波数MTF解析及び焦点画像処理解析システム」を試作し,複合レンズの基礎特性について評価を行った。【液晶レンズと対物レンズ等を組み合わせた複合レンズを用いた3次元顕微鏡システムの試作・評価】:焦点距離を電圧のみにより連続的に可変調整することができる液晶レンズと対物レンズ等を組み合わせた複合レンズ拡大光学系を用いた3次元顕微鏡システムを試作した。各焦点位置での画像解析については空間周波数MTF(Modulation Transfer Function)法を複合レンズに新たに適用した。複合レンズを用いた顕微鏡システムを用いて,液晶レンズの焦点距離を電圧のみにより連続的に可変調整し,立体構造の測定対象物の全焦点画像を得ることを試みた。この測定により取得した全焦点画像に対して,ラプラシアン微分処理を行い,各焦点位置での画像抽出を行うことで全焦点での画像を生成した。【一次評価・まとめ】:研究成果に対する一次評価を行った。今年度の課題目標の位置付けを明確にし,問題点等の抽出を行い,次年度への問題点を明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3次元顕微鏡システム内に用いる焦点距離可変機能を有する円形パターン電極構造の液晶レンズの設計を行い,その設計に基づいて液晶レンズの試作を行った。また,液晶レンズと対物レンズ等を組み合わせた複合レンズを用いた3次元顕微鏡システムの試作と評価を行った。そのため,概ね研究目的を達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)任意波形駆動回路の設計・試作:任意波形を発生することが可能な電圧駆動回路を試作し,印加電圧時間とのタイミングを制御することによる駆動時間の短縮を計画している。(2)液晶レンズの高速駆動を行った場合の測定・評価:試作した任意波形発生・電圧駆動回路を用いて,液晶レンズにおけるオーバードライブおよびアンダーシュート駆動を行い,動作の高速化の測定を行う。(3)3次元顕微鏡システムのリアルタイム全焦点画像の測定・評価:液晶レンズの電圧印加制御およびCCDカメラ制御の自動化により全焦点画像の生成をリアルタイムで実現する。液晶複合レンズ用光学位相解析・空間周波数MTF解析及び焦点画像処理解析システム及び高速カメラを用いて,煩雑なプログラム作成を必要とせず,容易に3次元顕微鏡システムと画像処理システムの統合を行い,リアルタイムでの全焦点画像生成を行う。(4)二次評価・まとめ:研究成果に対する二次評価を行う。今年度の課題目標の位置付けを明確にし,問題点等の抽出を行い,次年度への問題点を明確にする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
設備備品は計上していない。消耗品として,光学部品,電子回路部品,液晶材料,無機・有機溶剤・酸性溶液,透明電極膜付ガラス基板,種々ガラス厚が異なる電極基板をあげる。国際学会の成果発表旅費を計上し,ISOT2012での発表を行う予定である。また,国内学会では,平成24年度液晶学会討論会,応用物理学会での成果発表を行うため旅費を計上している。その他,論文投稿印刷費に充てる。
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