2012 Fiscal Year Research-status Report
低コスト超高効率化合物半導体/シリコンハイブリッドタンデム太陽電池の開発
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23760303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田辺 克明 東京大学, ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構, 特任准教授 (60548650)
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Keywords | 太陽電池 / 化合物半導体 / シリコン / 低コスト / 高効率 / ウェハ接合 / ウェハ融着 |
Research Abstract |
昨年度の研究にて得られたオーミックp-GaAs/n-Si接合を用い、AlGaAs/Si二端子二接合太陽電池を作製した。AlGaAsセルは通常の太陽電池と上下逆向きに分子線エピタキシー法により成長し、Siセルと融着した後に、GaAs基板を選択的に溶解した。作製した二接合太陽電池の1 sun (100 mW/cm2)(白色ハロゲン灯、非疑似太陽光)下での電流-電圧出力特性は、短絡電流密度27.9 mA/cm2、開放電圧1.55 V、フィルファクター0.58、発電効率25.2%であった。この光電流-電圧曲線に表れる直列抵抗値に比べ、ウェハ融着GaAs/Si界面の抵抗は遥かに低く、表面電極の抵抗が効率を制限していると考えられるため、電極構造の改善によるフィルファクターの向上によりさらなる高効率化が期待できる。今回作製された素子は、初めてのウェハ接合法による化合物半導体/シリコン多接合太陽電池のであり、低コスト・超高効率格子不整合多接合太陽電池の実現への布石と言える。また、金属ナノ粒子を含む融着材を用いた接合法を用いたプラスチックフィルム上への薄膜転写によるフレキシブルInAs/GaAs量子ドット太陽電池の作製にも成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の最終目標であったウェハ接合による高効率化合物半導体/シリコン多接合太陽電池の実現を今年度において既に達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
化合物半導体/シリコン多接合太陽電池のさらなる高効率化を推進する。また、本研究課題にて開発した低抵抗化合物半導体/シリコン直接ウェハ接合技術を用いた新規高性能光電子素子の提案と作製にも取り組む予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費は主に半導体材料および電極となる金属材料の購入に用いる予定である。また、測定に必要となる消耗光学部品の購入も予定している。
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Research Products
(6 results)