2012 Fiscal Year Research-status Report
時間領域におけるマルチスケール電磁界解析のためのCIP-BS法の開発
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23760306
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
安藤 芳晃 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (30323877)
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Keywords | CIP-BS法 / 全電磁界/散乱界境界 / 散乱問題 |
Research Abstract |
時間領域におけるマルチスケール電磁界解析のためのCIP-BS法を確立するため、平成24年度は(1)安定条件の導出、(2)連続的不均質媒質中の伝搬解析、(3)任意入射波をモデル化する全電磁界/散乱界境界の定式化と実装、(4)定式化した全電磁界/散乱界境界を用いて、平面波入射による散乱問題の解法に取り組んだ。 (1)については、1次元CIP-BS法の安定条件の導出に成功し、数値計算によって安定性を確認した。(2)については、解析領域全体で連続的に不均質な媒質中での線波源が作る電磁界の解析を行い、提案手法は従来法に比べて波長短縮が大きな領域で高精度での解析が行えることを確認した。特に位相特性は大きく優れており、従来手法では位相が反転するほど誤差が生じる場所でも、ほぼ正確に計算できていることを確認した。(3)については定式化および実装を終え、実際に平面波を伝搬させることで問題なく動作することを確認した。また、数値グリッド内を伝搬することで数値分散して全電磁界/散乱界境界で打ち消すことができずに、散乱界領域に漏れ場が生じるが、その漏れ場を観測し、従来手法より優れていることを確認した。(4)については、完全導体四角柱について解析を行い、その近傍界を見ることで本手法の妥当性を確認した。特に、同じセルサイズでの本提案手法の数値精度は従来法より優れており、本手法の有効性が確認されたい。 実際の数値計算モデルにおいて、本手法がその有効性を十分に発揮することが示せたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最終的なマルチスケール問題への適用が残っている。マルチスケール問題は、大規模問題を汎用計算用GPUを購入して実装する予定であったが、汎用計算用GPUが11月に製品が発表になったため、こちらを用いる方が研究成果が大きくなると考え、その適用可能性と性能評価を行ったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
汎用計算用GPUを購入して、マルチスケール問題に取り組む。本手法が効果を発揮するマルチスケール問題を検討して実装を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
汎用計算用GPU、データ保存用のNASを購入予定である。また、成果発表のための旅費を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)