2012 Fiscal Year Annual Research Report
光誘起自己形成技術により作製された波長フィルタに基づく熱光学スイッチ
Project/Area Number |
23760309
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
冨木 政宏 静岡大学, 工学部, 助教 (60362183)
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Keywords | 熱光学効果 / 自己形成導波路 / 熱光学スイッチ / 回折格子 / 波長選択フィルタ |
Research Abstract |
自己形成導波路作製技術を用いて2本から1本に合波させる形状の形成を試みた。当初は1つのLDから2本のファイバを同時に励振し形成を行っていたが、再現性が低いため、2台のLDを用いてそれぞれ独立に制御する方式とした。結果1本になる導波路の形成に成功した。また1本に合波した箇所に回折格子を形成し、フィルタとして動作することを確認した。波長選択フィルタとして消光比18dBの性能を有することを確認した。 一方、使用している材料の屈折率温度依存性について測定を行った。測定には光ファイバを材料に挿入し、ファイバ端面からのフレネル反射を観測することにより行った。使用している自己形成材料の熱光学効果はPMMAより若干大きい程度の値を有していることがわかった。この成果を発表したところ、異方性についての質問があり、本材料の異方性については全く測定を行っていなかったことから、その測定に取り組んだ。方法としてはほぼ一緒だが、フレネル反射の測定に偏光ビームスプリッタを用いることで異方性の測定を行った。結果としては使用している材料には本質的な異方性はほぼ無いことを確認した。 本申請の目的である熱光学スイッチへの応用のために、ヒータを取り付けた導波路を作製し、温度変化を加える実験を始めたところ、加熱冷却を1~2回繰り返すとガラスから剥がれたり、ファイバと材料の間に空気が入ったりといった現象が頻発した。この原因として材料がガラスとの密着性に問題があることが上げられる。基板材料に密着性の高いポリマー材料や金属材料を用いて作製を試みたが、大きな改善は得られなかった。 この欠点に関しては材料自体の改善が不可欠であり、材料の提供元と相談したところ、光硬化型から熱硬化型への変更を提案され、作製条件の最適化を試みているところであるが、今のところガラスから剥離する現象はほとんど生じていない。
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Research Products
(2 results)