2011 Fiscal Year Research-status Report
CMOSイメージセンサ搭載脳外科手術用プローブ-Probe Eye-の開発
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23760312
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野田 俊彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (20464159)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | CMOS / 刺入型デバイス / 神経活動計測 / 神経刺激 / 生体埋植 |
Research Abstract |
初年度は申請時に提案した刺入型デバイスの要であるCMOSセンサチップの新規設計に注力し,研究を進めた.完成時のデバイス幅を極力狭くして低侵襲化を図るため,チップサイズは幅400um,長さ600um とした.単位チップには刺激・計測電極を形成する領域を設け,例えばPtなどの材料で電極を作製出来るようにした.またこのチップには,複数チップの同時動作を想定した制御回路も集積化した.チップにはそれぞれ個別のIDをCMOS工程後のレーザ加工で焼き込めるように設計し,該当するIDのチップのみが動作するように制御する構成にした.チップには計測用アンプ回路や刺激電流生成回路も搭載した.設計したCMOSチップをCMOSチップ試作サービスによって作製し,作製したチップを単体で動作させて基本的な動作検証を行なった. チップ作製中の期間を利用して,生体への刺入時に低侵襲となるようなセンサチップ実装方法を検討した.複数チップからの配線をどのように生体外に引き出すかが重要であるが,これには複数チップ同時動作を想定したチップ制御回路を活用して配線の共有化を行う事で,配線数削減,デバイス幅の減少が可能である.これら微細配線を実現する方法を検討し,高密度フレキシブル基板によって実現できる見通しを得た. デバイス実装後のテストで必要となる模擬生体材料の準備および,デバイス評価の実験系を新規に構築し,来年度以降の研究環境を整えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画通りに研究が進んでおり,順調に進展していると言える.平成23年度に設計,試作したCMOSチップを平成24年度に使用するため,このチップが大変重要であるが,設計通りに動作する事が確認出来ている.このチップを実装するための基礎検討も終了しており,低侵襲実装の実現に向けて研究が進んでいる.デバイス実装完了後にどのように評価するのかについても検討,準備を行なっており,平成24年度以降の研究も円滑に実施出来る環境が整っている.
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Strategy for Future Research Activity |
センサチップ開発については,前年度のセンサ基礎特性の評価や次項で述べるチップ実装のテスト結果を受け,センサ設計の最適化を行う.再度センサチップを試作し,刺激・計測電極も作製する.異なる材料数種(例えばIrOxやTiNなど)でも刺激・計測電極を作製し,その特性を比較する.低侵襲なセンサチップ実装技術開発については,高密度フレキシブル基板を用いたチップ間配線により,共通配線に複数のチップを接続する.本デバイスは生体内で動作させるため,信頼性,耐久性が高く,かつ,生体適合性に富んだ材料を用いて包埋する必要がある.現状ではパリレンによる包埋を第一候補とし,その耐久性を評価する.実装を行なったデバイスの評価として,生理食塩水や生食ゲルなどの模擬生体材料中でテストを重ね,実装工程へのフィードバックを繰り返す事によって,生体内でも安定した動作が見込めるデバイスに仕上げる.実際の生体サンプルを用いた検証の第一段階として,マウスやラットの脳や脊髄などの神経組織を用いた実験も行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度作製したチップおよび電極材料,実装工程の評価に必要な経費として,試薬類と計測に必要な微小電流計を計上した.金額は過去の購入実績を参考にした.測定用ノートパソコンは計測機器の制御ならびにデータ整理のために使用する.また前年度同様,成果発表旅費と研究成果報告として論文投稿費を計上した.前年度の研究成果の内容を鑑み,当初計画していた平成23年度末開催の学会への参加を取りやめ,より有意義な情報交換が望める別学会(平成24年度開催)での成果発表に変更した.これに関連し平成23年度の研究費の一部を平成24年度に繰り越した.
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] 脳深部刺激手術用in situ イメージングプローブの開発2011
Author(s)
野田 俊彦, Pan Yi-Li, 田川 礼人, 小林 琢磨, 笹川 清隆, 徳田 崇, 畠中 由美子, 中野 直樹, 加藤 天美, 塩坂 貞夫, 太田 淳
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Journal Title
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌)
Volume: 131
Pages: 427-428
Peer Reviewed
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