2012 Fiscal Year Annual Research Report
周波数完全再利用を可能とするミリ波高能率偏波共用導波管アンテナの開発
Project/Area Number |
23760323
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
鈴木 健仁 茨城大学, 工学部, 助教 (60550506)
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Keywords | 導波管スロットアンテナ / リッジ導波管 / ミリ波 / 偏波共用アンテナ |
Research Abstract |
リッジ導波管スロットアンテナは導波管内部に設けたリッジの効果で広帯域化を実現できる。また、エッジスロット導波管アンテナと組み合わせ、偏波共用アンテナとしても利用できる。リッジ導波管のように断面形状が複雑な構造の多素子モデルを有限要素法などの汎用電磁界シミュレータで設計すると、解析量が膨大で繰り返し補正のともなう精密かつ高速な設計は難しい。スペクトル領域法は断面が一様な構造に特化した解析で、精密かつ高速な設計が可能となる。 まずは、スペルトル領域法でリッジ導波管内部のスロット間相互アドミタンスを導出した。スロット自身のリアクションとリッジ導波管内開口部とスロット間のリアクションの足し合わせで導出できる。前者は関の仮想空胴法で導出できる。後者の導出方法は以下の通りである。解析モデルは管軸に対して一様構造であるので、等価定理で規範領域分割する。電界の接線成分の連続条件は等価磁流を仮定していることで自動的に成立している。スペクトル領域でのグリーン関数を用いて、導波管内部の開口面で磁界の接線成分の連続条件を立てる。連続条件の行列式より求まった開口面磁流分布とスロット磁流により、後者のリアクションを導出できる。導波管の断面形状を未知数と置いたスペクトル領域法解析で求めたスロット間相互アドミタンスと比較し、十分に一致することを確認した。 さらに、スペクトル領域のグリーン関数を用いて固有値解析を行い、各モードの遮断周波数を求めた。先の行列式でスロット磁流分布に関する小行列を0として求めた管軸方向の波数より、遮断周波数を導出できる。有限要素法電磁界シミュレータHFSSによる結果と比較し、よく一致していることを確認した。上記の研究成果を国際会議IEEE APS(アメリカ 2012年7月)で報告した。基本モードの遮断周波数はアレー解析に必要な入力モードとスロットのアドミタンスの導出に用いられる。
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Research Products
(1 results)