2012 Fiscal Year Annual Research Report
多層構造完全並列導波管給電によるスロットアレーの偏波共用化の実現
Project/Area Number |
23760327
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
ZHANG Miao 東京工業大学, 理工学研究科, 研究員 (90535866)
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Keywords | 偏波共用 / 導波管スロットアレー / 並列給電 / クロススロット / 拡散接合 / 偏波識別度 / アイソレーション / グレーティングローブ |
Research Abstract |
初年度で設計した16x16素子偏波共用四層構造並列給電導波管スロットアンテナの開口効率は80%に到達できず、主偏波面と45/135度斜めカット面では高いサイドローブが出現することが確認された。 特性の更なる改善として最終年度では、まずアレーアンテナの素子間隔に注目し、従来の4.2mm(0.86λ)から3.4mm(0.7λ)に徐々に減少させたところ、素子間隔の減少に従い、主偏波のグレーティングレベルがほぼ変わらないことに対して、交差偏波の方が大幅な低減が得られた。続いて放射素子となるクロススロットの電界分布に注目したところ、主偏波について基本モード以外の高次モード成分も励振されたため、非対称な分布となっていたことが主偏波のグレーティングレベルが悪化する要因であることを判明した。改善策として、放射素子間隔を4.2mmから3.9mmに、キャビティ高を1.2mmから2.1mmに、スロット長3.1mmから2.7mmに変更する上で16x16素子並列給電五層構造導波管偏波共用スロットアンテナを再設計した。HFSSによる全構造解析の結果として、両入力ポート間のアイソレーションは周波数59 ~ 64 GHzにおいて60 dB以上を実現でき;周波数60.3 ~ 63 GHzにおいて各偏波放射時の80%以上の高い開口効率を実現した。多層構造導波管並列給電による偏波共用スロットアンテナの動作原理を十分に把握した上で、高いアイソレーション特性と偏波識別度及び高い開口効率を実現する設計手法を確立した。 再設計したアンテナの試作について、拡散接合における位置ずれを低減するために全てのレイヤに対して0.3mm厚銅薄板をエッチング加工する代わりに、導波管層(1.2mm厚)とキャビティ層(2.1mm厚)をそのまま放電加工した後に拡散接合するプロセスに変更する。
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