2013 Fiscal Year Research-status Report
低密度パリティ検査畳込み符号とその応用に関する研究
Project/Area Number |
23760328
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠井 健太 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (70431997)
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Keywords | LDPC符号 / LDPC畳み込み符号 / 空間結合符号 / 噴水符号 |
Research Abstract |
LDPC畳み込み符号の設計法を確立すること,および各種応用問題に適用することが本研究の目的であった.LDPC畳み込み符号は通信路容量を達成する誤り訂正符号であるが,繰り返し反復復号処理一回あたりの計算量が有界にならないという問題が従来の設計法にはあった.これを解決する設計法として,小幡らは,空間結合(dl, 2, 2) MacKay-Neal符号を考え,送信する単位情報量あたり有界な復号計算量で通信路容量をBelief Propagation復号で達成することを証明した.しかし,空間結合(dl, 2, 2) MN符号は次数2のビットノードを持つため,エラーフロアが高くなってしまう. 空間結合(dl,3,3) MN符号が二元消失通信路(BEC)に対して通信路容量を達成することを証明した.空間結合(dl,3,3) MN符号は次数が2であるのビットノードを持たないため空間結合(dl,2,2) MN符号よりエラーフロアが低くなる.(dl,3,3)MN符号のポテンシャル閾値がシャノン限界に一致することを導出することで,3以上の次数dlに対して空間結合(dl,3,3) MN符号がBECの通信路容量をBP符号で達成することを証明した. さらに,従来のLDPC畳み込み符号は符号化率が固定であるという問題があった.空間結合Hsu-Anastasopoulos噴水符号を考案し,多数の受信者に対して限りなく符号ビットを送り続ける 方式をとることにより,この問題を解決した.噴水符号化方式はパケット通信における消失を解決する手段として有効であり,重要な応用問題への適用を果たすことができた. 上記の通り,基礎と応用に関して重要な結果を導くことができたと考えている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
LDPC畳み込み符号の設計法を各種応用問題に適用することが本研究の目的であった.この点に関し ては,研究実績の概要で述べたように,噴水符号符号を元にした,空間結合符号を構成することにより,理論限界を達成に成功しており,研究目的の一部を達成している.さらに平成26年に予定していたワークショップの実施を,電子情報通信学会の総合大会における企画セッションとして前倒しして実施しており,研究計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書の実施計画通りに研究を遂行する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたトルコ・イスタンブールでの国際会議における発表の一部が,キャンセルとなったため. 国際会議における発表,雑誌論文掲載料などに使用する予定である.
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Research Products
(15 results)