2013 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルMIMOブロードキャスト方式に適した通信方式の構築と解析
Project/Area Number |
23760329
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
竹内 啓悟 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (30549697)
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Keywords | 情報通信工学 / 移動体通信 / MIMO / ユーザ選択 / 確率伝播法 / 順序統計理論 |
Research Abstract |
持ち運び可能な無線端末が普及した現代、一つの基地局から複数の移動局(以後、ユーザと呼ぶ) に情報を効率的に伝送するモバイルブロードキャスト(BC)方式の重要度が増しつつある。複数のアンテナを利用して通信を行う多入力多出力(MIMO)方式は、主に単一のユーザの伝送効率を高めるための方式として実用化されてきたが、BC方式としても利用が可能である。本研究の目的はMIMOを使ったモバイルBC方式に適した実用的な通信方式を構築し、その性能解析を行うことである。 前年度までの主要な成果は、データ依存型ユーザ選択法を提案し、その有効性を計算機シミュレーション及び理論解析によって検証したことである。従来のユーザ選択法では、通信路の状態が良好なユーザを選択して優先的に情報を伝送することによって送信電力効率を高めていた。一方、提案したデータ依存型ユーザ選択法では通信路の状態だけでなく、送信データシンボルも考慮して選択するユーザを決める。従来のデータ非依存型ユーザ選択法を使用するメリットが漸近的になくなる場合に対しても、データ依存型ユーザ選択法を使用することで送信電力の削減が可能であることを示した。 ユーザから基地局に向かって情報を伝送する上り回線での通信路推定の精度が、提案ユーザ選択手法に大きな影響を与えるため、最終年度は上り回線での通信路推定に取り組んだ。モバイル環境での通信路状態は時々刻々と変化するため、高頻度で通信路の推定値を更新しなければならない。そのような状況下では、通信路推定用のパイロット信号の送信頻度が増えるため、データの伝送速度が低下してしまうという問題点が生じる。この問題を解決するために、通信路とデータとの同時反復推定を行う方式を提案し、パイロット信号の量を劇的に削減できることを理論的に示した。
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Research Products
(10 results)