2013 Fiscal Year Annual Research Report
ゲーム理論を応用したヘテロジニアス無線ネットワークのための自己組織化適応制御
Project/Area Number |
23760333
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 高至 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (30423015)
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Keywords | 移動体通信 / ヘテロジニアス / 自己組織化 / 微分ゲーム |
Research Abstract |
無線ネットワークは、異なる性質の無線通信が共存するヘテロジニアス無線ネットワークになりつつある。このようなヘテロジニアス無線ネットワークでは、干渉や衝突の制御がスペクトル利用効率に大きな影響を持つ。これら干渉や衝突といった無線通信に特有の問題は相互作用に起因するものと捉えることができ、相互作用を数学的に扱うゲーム理論の知見を元にモデル化が可能である。特に、ポテンシャルゲーム、少数派ゲーム、微分ゲームといったゲームの応用を行った。 まず、ヘテロジニアスネットワーク向けのチャネル選択手法を、ポテンシャルゲームに基づく干渉制御手法を拡張して適用し、その効果を確認した。この手法は分散的に行われるものの収束性が保証されている点に特徴がある。また、適応的基地局選択(セルサーチ)を同時に行う手法を提案し、その効果を確認した。 少数派ゲームのフレームワークでは、少数派の数が大きくなる、言い換えると少数派と多数派の数が均衡するためのアルゴリズムを提供している。無線通信においても干渉が大きすぎない状況でできるだけ通信数を増やすことがスペクトル利用効率の向上に繋がる。このようなシナリオに少数派ゲームのアルゴリズムを応用することで、CSMA/CAと比較してスペクトル利用効率の高い方式を検討した。 これらに加えて、ヘテロジニアス無線ネットワークとは異なる対象への展開として、微分ゲームを、スマートグリッドにおける制御のモデル化に用いるフレームワークを検討した。具体的には、スマートグリッドにおいて、複数の家屋が存在する際に、その間で通信により太陽光発電量を共有できる場合とそうでない場合において、各家屋の消費電力をそれぞれフィードバック分散制御とオープンループ分散制御によって制御する際のモデルを作成し、それぞれの制御が有効な条件を明らかにした。評価の際には学内で取得した実データを含めた評価を行った。
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Research Products
(7 results)