2011 Fiscal Year Research-status Report
フェムトセル・マクロセル共存環境での無線資源割当てに関する研究
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23760334
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金子 めぐみ 京都大学, 情報学研究科, 助教 (10595739)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 移動体通信 / 情報通信工学 / 先端的通信 / 無線資源割り当て / フェムトセル / 干渉制御 |
Research Abstract |
本研究は,OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式を用いた次世代無線通信システムにおいて,ユーザが各家庭で自由に基地局(ホームベースステーション)を設置することが可能な環境での無線資源割当て法を確立することを目的とする.特に,無線通信の性質であるブロードキャスト性(送信された信号が広範囲に多くのノードで同時に受信可能なこと)を利用することで,貴重な周波数・エネルギー資源の消費量を低減しつつ,システム全体の特性や各ユーザの公平性を向上することを目的とする.本年度は,理論的な性能限界や最適化問題におけるふるまいを理解するため,理論解析が可能なフェムトセルシステムのモデル化を行い,フェムトセルからマクロセルへの干渉対策について注目した.また,フェムトセルの基地局が利用可能な情報を変更することで,中央集中的・半分散的・分散的な環境のそれぞれに対して無線資源割当て法を考案した.本研究では基地局のコスト増加につながるマルチアンテナやハードウェアデバイスではなく,無線資源割当てのレベルでの対策を検討するため,他のフェムトセルやマクロセルユーザの割当て情報を知る必要があり,このオーバーヘッドが特性を劣化させる可能性がある.そこで,無線通信のブロードキャスト性を利用することで制御信号などを増やさずに,マクロセルへの干渉削減を実現するフェムトセルの電力割り当てを提案した.計算機シミュレーションにより,従来法と比べて,マクロセル及びフェムトセル両方の達成可能レートを向上することを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度はおおむね計画通り研究を進めることが出来た.以下に,具体的に平成23年度に達成された項目を示す.1. フェムトセルシステムのモデル化:フェムトセル基地局やマクロセル基地局の通信路環境,干渉環境などに関して具体的なパラメータや統計モデルを考案した.また,フェムトセルで利用可能な情報について,大きく中央集中・半分散・分散の三つのモデルを作成した.2. モデル化したシステムに対する無線資源割当て法の検討:1.で作成した各モデルにおいて,中央集中的・半分散的・分散的な環境のそれぞれに対して可能な無線資源割当て法を考案した.特に,マクロセルへの干渉を考慮したフェムトセルの電力割り当てを提案した.提案法では,無線通信のブロードキャスト性を利用してマクロユーザのCSIを"盗み聞き"することにより,従来必要であった制御情報量を大幅に減少しつつ,マクロセルへの干渉を削減するため,良好なマクロセル・フェムトセル分散制御を実現する.3. 各無線資源割当て法の特性評価:従来法・提案法・特性上界を示す各無線資源割当て法の特性評価を計算機シミュレーションで行った.その結果,提案法はマクロセル・フェムトセル両方において,特性上界に近いサムレートが達成でき,従来法の特性を向上できることが分かった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,現実的なシステムのためのプロトコルの提案と特性評価を行う.以下に具体的な項目を示す.1. 現実のフェムトセルシステムのモデル化: まずはシステム要件の検討を行う.実際のフェムトセル・マクロセル共存環境で想定される様々なシナリオを検討し,現実のシステムで求められる要件を明らかにする.また,平成23年度の研究で検討したトイモデルとの相違点を明確化する.次に,干渉状態のモデル化を行う.複数のフェムトセル・マクロセルが存在する環境で,考えられる干渉状態を全てリストアップする.更に,干渉状態の各モデルにおいてフェムトセル基地局・フェムトセルユーザがブロードキャスト性を利用して得られるCSIフィードバックや制御情報を明らかにする.2. 現実的なフェムトセルシステムのための無線資源割当て法を考案:上記モデルに基づいて複数の実現可能な無線資源割当て法を設計する.また,考案したそれぞれの無線資源割当て法に必要な演算量,CSIフィードバック情報量,消費電力などを明らかにする.さらに,各方式の達成可能な特性を計算機シミュレーションで評価する.3. プロトコル設計:提案無線資源割当て法に基づいたシステム全体のプロトコル設計を行い,様々なユーザトラフィックモデル・ユーザの移動モデル,フェムトセル・マクロセルのトポロジーなどの条件の下でのその特性を計算機シミュレーションで評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)設備備品:評価するシステムの複雑さの増大に対応すべく,計算機シミュレーション用のパーソナルコンピュータを1台購入(400 千円).(2)消耗品:研究の参考図書等を購入.商用のコンパイラ及び数値計算用ソフトウェアを購入(110 千円).(3)国内旅費:2-3回程度の国内研究成果発表,及び2回程度の研究打ち合わせを予定(200 千円).(4)外国旅費: 2-3回研究成果発表と海外共同研究者と打ち合わせを予定(900 千円).(5)その他:学会参加費,及び学術論文誌の別刷り代を予定(100 千円).
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Research Products
(13 results)