2012 Fiscal Year Annual Research Report
MIMO通信における送信ピーク電力を考慮した信号処理に関する研究
Project/Area Number |
23760340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
牟田 修 九州大学, 日本エジプト科学技術連携センター, 准教授 (80336065)
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Keywords | MIMO / マルチキャリア信号 / 符号多重信号 / ピーク対平均電力比 / PAPR低減 |
Research Abstract |
複数のアンテナ素子を有するMIMO(Multi-Input Multi-Output)通信システムにおいて、送信電力増幅器の電力利用効率を改善するには、増幅すべき送信信号のピーク対平均電力比 (PAPR) を低減する必要がある。本研究課題では、マルチキャリア伝送、ベクトル符号化伝送、シングルキャリア伝送などを対象として、送信ピーク電力を考慮したMIMO信号処理技術を開発することを目的とする。本年度は、前年度に開発した技術に基づき、MIMOベクトル符号化方式に適したPAPR抑圧技術を開発した。提案方式では、送信データ系列を部分的にスクランブルし、各符号ベクトルの位相係数を制御することにより、送信信号のPAPRを低減する。受信側ではデスクランブルにより元の情報を復元する。提案方式では、デスクランブル時の誤り伝搬の影響を軽減できるので、PAPRを低減しながら良好な伝送特性を達成できることを示した。MIMOマルチキャリア伝送において、送信基地局における帯域外漏洩電力と帯域内歪み電力を許容値以下に抑えながら、送信信号のPAPRを自動的に低減させる方式を開発した。提案方式は、一様スペクトルを有する基本パルスを用いてピーク振幅値を模擬し、それを反復的に送信信号に逆位相加算することで基準値を超える信号振幅を打ち消すものである。帯域外漏洩電力と帯域内歪み電力の増加量を許容値以下に制限しながら、送信信号のPAPRを低減できることを示した。電力増幅器の非線形歪みを補償する技術と併用する場合の提案技術の有効性を示した。MIMO通信システムにおける低PAPRのシングルキャリア信号として定包絡線の位相変調信号を仮定し、前年度に開発した技術に基づき、量子化誤差などの受信機のアナログ回路における劣化要因を考慮したMIMO受信方式を示した。種々の伝搬路環境下における提案技術の有効性を示した。
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