2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760344
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
三好 匠 芝浦工業大学, システム工学部, 教授 (40318861)
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Keywords | 国際情報交換(フランス) / ピア・ツー・ピア / トラヒック分析 / トラヒック制御 / 映像配信 / 自律分散 |
Research Abstract |
本研究計画の最終年度として,以下の3点について重点的に研究を実施した. (1)P2P型映像配信サービスの通信機能挙動分析では,H23-24年度に提案した「P2P型映像配信トラヒック局在化手法」について,手法のファインチューンを実施した.具体的には,通信先ピアの位置情報を細かく分類し,ピアの所在する国情報のほかに属しているISPやAS情報などを利用してきめ細かいトラヒック局在化を実現することに成功した.本手法により,挿入遅延時間を短くでき,映像品質の劣化を抑えながら従来以上のトラヒック局在化が実現された. (2)P2P通信フローを自動的に認識・判定するための通信解析では,遅延挿入による映像再生品質の劣化を抑える手法として,特定の通信パケットにのみ遅延を挿入する手法の検討を行った.提案手法では,制御信号のパケット(制御パケット)と映像データが含まれるパケット(映像パケット)を区別し,制御パケットにのみ遅延を挿入する仕組みを考案した.提案手法はSopCastでは非常に有効に動作し,映像パケットを遅延させることなくトラヒックの局在化がされ,映像再生品質の向上が達成できた. (3)P2P通信フローを自動的に認識・判定するための通信解析により得られたピアのIPアドレスを,複数のルータ間で共有する手法を開発した.本手法では,あるルータで認識した同一地域内に存在するピアを他のルータに紹介することで,他の地域にあるピアへの接続要求を同一地域内へ強制的に誘導させることが可能となり,P2Pトラヒックの局在化を更に有利に進めることが可能となる.本手法を実装してP2Pトラヒック分布を調査した結果,日本からのトラヒックを67%にまで増加させることに成功した. 以上のとおり,3か年の「自律分散型P2Pトラヒック制御システム」の研究は,当初の計画を上回る成果を得ることができた.
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