2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760351
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
諸橋 功 独立行政法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所超高周波ICT研究室, 主任研究員 (40470059)
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Keywords | 光源技術 / テラヘルツ / 無線通信 |
Research Abstract |
本研究は、マッハツェンダ変調器ベース光コム発生器を用いてミリ波・テラヘルツ波の発生およびその変調信号の発生を行うことを目的としている。光コム発生器から発生された光コム信号(間隔12.5GHz、帯域200GHz超)から光フィルタを用いて任意の周波数間隔の2成分を抽出して高速フォトダイオードに入射することにより、ミリ波帯信号を発生させる。本手法は、高い周波数安定度を持つ変調器ベース光コム発生器を用いることで、低雑音かつ高い周波数安定度を持つ信号源の発生が可能であるという特徴を持ち、ミリ波・テラヘルツ波帯における周波数標準信号や高速無線通信用信号源として利用することが可能である。 本方式により発生されるミリ波帯信号を評価した結果、1Hz以下の非常に狭い線幅と0.02radの低い位相雑音を有することが明らかになった。これは、本方式により発生されるミリ波・テラヘルツ波帯の信号は、多値変調への適用も可能であることを示す非常に重要な結果である。さらに、マルチキャリア信号発生の実証を行い、複数のミリ波信号を同時に発生できることを実証した。これは、本方式を用いてミリ波帯マルチキャリア信号発生が原理的に可能であること示す重要な結果である。 さらに、ミリ波帯変調信号発生の実証を行った。光コムから3成分を抽出し、そのうちの1成分を基準光とし、他2成分を信号光とした。基準光-信号光間の周波数間隔は、それぞれ75GHzおよび100GHzとした。2つの信号光にはそれぞれ疑似ランダム信号による変調を行い、フォトダイオードを用いてミリ波信号を発生させた。その結果、本研究の目的である多周波数のミリ波・テラヘルツ波帯信号発生が達成された。これは、ミリ波・テラヘルツ波帯における周波数多重やマルチキャリア方式での伝送が可能であることを示す重要な結果である。
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