2011 Fiscal Year Research-status Report
時空間偏移変調に基づくマルチアンテナ伝送方式に関する研究
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23760353
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| Research Institution | Toyota Central R&D Lab., Inc. |
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Principal Investigator |
杉浦 慎哉 株式会社豊田中央研究所, 情報エレクトロニクス研究部 情報通信イノベーション研究室, 研究員 (30394927)
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| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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| Keywords | 無線通信 / 信号処理 / 時空間符号 / 信号検出 / MIMO / STSK |
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| Research Abstract |
本研究では無線通信システムにおいて、複数のアンテナ素子を送受信局で用いるMultiple-Input Multiple-Output (MIMO)方式を対象に、任意の送受信アンテナ数に対して高速と高信頼のバランスを柔軟にとることができる時空間符号コンセプトを実現し、安心安全な無線通信システムを構築可能とする伝送方式の開発を主題としている。特に、研究代表者らが開発してきた新しいMIMOコンセプトであるSpace-Time Shift Keying (STSK)を対象として (Sugiura et al., IEEE Trans. Commun. Nov. 2010.)，未だ解決されていない基礎的な問題を解決することを目的とする。具体的に、Ｈ２３年度は、以下の２項目を重点的に実施した。１、分散行列の効率的設計手法：STSK方式では、あらかじめ送信機に割り当てられた分散行列のセットを用いて符号化を行うが、それら分散行列の効率的設計手法についてはこれまでに明らかにされていなかった。ここでは、最適化問題の目的関数として符号化利得を考え、STSK信号の性質を考慮した適切な数式変形を行うことにより、探索空間を大幅に削減することに成功した。これにより、従来の最適化手法に比べて約1/40の演算時間で分散行列の設計を完了することが可能となった。２、復号の低演算化：従来のSTSK検出器では最尤復号法を利用することが一般的であり、復号演算量の削減が課題となっていた。本項目では、STSK符号特有の信号構成に着目し、相関検出器と最尤検出器を併用して用いることにより、復号演算量を大幅に低減した硬判定検出器を開発した。本検出器では、最尤復号法とほぼ同程度の誤り率特性を維持しながら、検出演算量を1/10～1/100に抑えることに成功した。本技術は高レートSTSKシステムに対して特に有効である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は大きく４項目から構成されており（１．分散行列の効率的設計手法、２．復号の低演算化、３．連接符号復号に対応した低演算復号機設計、４．提案手法の総合的評価、従来方式との比較）、２カ年計画の初年度であるＨ２３年度において項目１および２を完了した。特に、項目１では基礎的アイデアの着想、シミュレーションにより詳細な解析を行い、国際ジャーナルへの投稿・掲載も完了している。また、項目２においても同様に、アイデア着想、数値解析、国際会議ジャーナルと国際会議講演を完了している。併せて、同分野における２件の国際会議（IEEE ICC2011, IEEE ICASSP2012）に参加し関連技術の動向調査を実施した。以上により、当初の計画通りおおむね順調に進展していると考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究の推進（アイデア考案、数値解析）を重点的に実施しており、調査や発表の回数が予定よりやや少なめであった。そのため、次年度に使用する予定の助成金が生じた。次年度では、当初計画よりもやや多く調査・発表を行う予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
情報収集のため２件の国際会議に参加する予定である：IEEE VTC2012-Spring、IEEE Globecom2012。また、国内会議・研究会に出張をし提案技術を発表する予定である。さらに、提案技術の応用先調査のため、北米を中心に関連する大学研究室を訪問する予定である。
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