2012 Fiscal Year Annual Research Report
時空間偏移変調に基づくマルチアンテナ伝送方式に関する研究
Project/Area Number |
23760353
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
杉浦 慎哉 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30394927)
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Keywords | 移動通信 / ディジタル信号処理 / MIMO / 誤り訂正符号 / 繰り返し復号 / 空間変調 / STSK / 時空間符号 |
Research Abstract |
本研究では無線通信システムにおいて複数のアンテナ素子を送受信端末で用いるMultiple-Input Multiple-Output (MIMO) 方式を対象に、任意の送受信アンテナ数に対して高速と高信頼のバランスを柔軟にとることができる時空間符号コンセプトである時空間偏移変調方式(STSK: Space-Time Shift Keying)を実現し、将来の無線通信システムに必要な高速高信頼の伝送方式開発を目的としている。以下に本年度の成果を示す。 1、連接符号に対応した軟判定型復号器の低演算化:連接符号構成を持つSTSKシステムを対象として、受信機にて利用可能な軟判定型の低演算量信号検出器を提案した。ここでは特に、前年度開発の硬判定型相関検出器を一般化した後、Markov chain Monte Carlo(MCMC)法を適用することにより、大幅な性能向上を実現した。さらに数値シミュレーションにより、高レートの場合に特に演算量削減幅が大きいことを確認した。 2、チャネル容量に近い性能を得るシステムの設計手法:複数のSTSK符号ブロックを用意し、それらを線型的に組み合わせることにより、幅広い信号対雑音比の領域においてチャネル容量に近い性能を実現可能なシステムの設計手法を提案した。特に、チャネル容量をコスト関数として、設計パラメータである分散マトリックスによる偏微分値を理論的に導き出すことに成功した。これにより、従来方式と比べて大幅に低い探索コストで確実に準最適なシステムパラメータの設計が可能となった。 以上、STSK-MIMO構成の無線通信送受信機に有用である要素技術について検討を行い、それぞれ重要な知見が得られた。
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Research Products
(2 results)