2013 Fiscal Year Annual Research Report
鉄道における車両・ダイヤ・運転の最適化による統合的省エネルギー化の進展
Project/Area Number |
23760357
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
宮武 昌史 上智大学, 理工学部, 准教授 (30318216)
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Keywords | 電気鉄道 / エネルギーマネジメント / 省エネルギー / 運転理論 / 運行計画 / 最適制御 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は,「理論に裏付けされた,鉄道における車両・ダイヤ(運行スケジュール)・運転の最適化による統合的省エネルギー化の方法を明らかとする」点にある。 その目的達成のため,本年度は次のような成果を得た。 (1)車両面については,車載電力貯蔵装置の設計を,既に調査した実例をもとに車両性能への影響を考慮して統合的に行った。 (2)ダイヤ乱れ時や朝ラッシュ時の列車密度が限界まで高まっている時に,信号システムから定まる先行列車との安全距離を保ちつつ省エネルギー化を図るため,列車運転の最適化に信号システムの挙動を組み入れ,節電を図りつつスムーズな運転により遅れの回復を図る運転方法を計算することに成功した。 (3)計算量の問題で3km程度の最適化にしか成功していなかった運転曲線の計算を,10kmまで計算できるよう,計算手法を改良した。 (4)災害等で電力供給が不足する異常時に対し,利用者の利便性と消費電力量とをバランスさせる運行計画法として,実際の運行取扱上の問題点を含めて様々な手法を比較検討し,特に減速運転および停車駅削減(列車本数は同じ)の有用性を定量的に示した。 研究期間の3年間を総括すると,次のような成果が得られた。 (a)車両の検討では,車載電力貯蔵装置による回生エネルギーマネジメントの可能性について示した。 (b)運行ダイヤの検討では,研究代表者が省エネルギーなダイヤのあり方として提唱した「等増分消費エネルギー則」が鉄道関係者の間で広く知られることとなり,さらに災害等による電力供給不足時の効果的な運行ダイヤを利用者の利便性をも考慮して導く方法を示した。 (c)運転においては,列車密度が限界まで高まっている際の運転方法,および長距離運転での運転方法について解析する方法を示した。
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