2011 Fiscal Year Research-status Report
トレンド可視化法へのグラフ統合とルールマイニング適用による時系列因果関係の表出化
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23760358
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
佐賀 亮介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10509178)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 可視化 / テキストマイニング / データマイニング / 時系列分析 / 因果関係分析 |
Research Abstract |
本研究では、時系列テキストデータ可視化手法であるFACT-Graphの統合と、その拡張法として因果関係の表出化を行うことを目的とする。本年度は、その拡張の際の最初のステップとして、FACT-Graphの統合を行っている。FACT-Graphはクラス遷移分析と共起グラフを組み合わせることで、トピック単位でのマクロなトレンドの発見や、頻度は少ないが重要な語句や複数の語で構成される話題などを効率的に分析することができる。実際に様々なデータに適用されており、ニュース記事や犯罪状況の可視化の他、Webアクセスログの可視化などに用いられている。しかしながら、従来の方法では二つ以上のトレンドや特徴を比較したいときには、複数のグラフを比較しなくてはいけないといった問題があった。これを解決するために、本研究ではこの2つのグラフを1枚で見ることを可能にするために、2枚のグラフを1枚に統合する方法を開発している。本研究を行う際の問題点は、どのような基準で統合するかといった問題点がある。そこで本研究では、3つの視点、Scale, Specification, Efficiency の3視点により、統合することを試みた。これを実際の新聞記事に適応し、この結果をIADIS Information Systems 2012などの会議にて報告した。また、その他の結果についてKES2012(採録済み)でも報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究機関変更とそれに伴う予算執行の一時停止により、研究が一時停止したため少々遅れている。ただし、基礎実験は進んでおり、論文としての結果報告、また分析ツールの改良により、分析の速度自体は向上しており、遅れを十分取り戻せる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、FACT-Graphの有向グラフ化と因果関係表出の検証について遂行する。この目的を達成するために、共起グラフのリンクを、Jaccard係数やSimpson係数ではなく、アソシエーションルールや系列データマイニングなどルールマイニングにより有向性を保持したまま抽出する。これにより無向グラフであったFACT-Graphに有向性を付与できる。続いて、同様にグラフを合成することを試みる。これらの有向グラフを、2者間における推移の判定を用いることで、総合的に統合する。この方式を用いることで、リンクの推移を統計的に尤もらしく統合することができる。本方式を検証するために、目的1で用いたものと同様のデータに対して、リンクの向きを考慮したキーワード抽出の分析により、有用性を測る。構造方程式モデリングや創造的開発技法を用いた因果関係分析に用いられた出力したFACT-Graphと比較対応することで、有向グラフ化した出力したFACT-Graphがどのような意味を持つのかを分析・検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度では、昨年度、購入予定だった新聞記事データなどを購入する予定であり、それを元に引き続き分析を行っていく。また、次年度において国際会議に参加し、研究内容を報告する予定である。これらの金額を外国旅費として計上する。各目的において、プログラム補助と検証に研究補助員をアルバイトとして雇う予定である。その費用を謝金として計上する。また、本研究による成果を論文誌などへ投稿するための費用や論文構成費を研究成果投稿料として謝金やその他に計上する。
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