2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760360
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
船水 英希 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90516486)
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Keywords | 光生体計測 / 光計測 / 計測工学 / 情報光学 |
Research Abstract |
本研究は,非接触・無侵襲な血流計測法であるレーザースペックル法にディジタルホログラフィ技術を適用し,レンズレスで焦点合わせの不要な新方式の血流イメージング法を確立し,生体の血流分布および表面形状から良性・悪性腫瘍を判別する診断システムを高精度かつ低コストに構築することを目的としている. 平成24年度では最初に,前年度で課題として残っていた光による生体計測における光量ロスの問題を,被験物体とCCDカメラ間の距離を近づけてホログラムを記録することによって解消した.この問題は近赤外光の感度が高いCCDカメラを使用することによって更に改善されると考えられる. 次に,波長が異なりかつ生体への光侵達性の高い近赤外領域の2つレーザーを用いて2重露光によりホログラムを同時に取得し,血流・血液濃度変化および酸素飽和度の情報を2次元的に可視化する.被験物体は人間の人差し指の第一間節までとし,光源は光学系の簡素化および低コスト化を実現するためにファイバ付半導体レーザーを用い,発振波長は当研究室で考案された分光計算処理による血液濃度変化の計測法に用いる785 nmと830 nmを選択した.2波長の再生像の重畳による画質劣化を防ぐために,ホログラム記録において空間分割法を使用し,2波長の再生像に当研究室ですでに確立されている分光演算を適用することで血液濃度と酸素飽和度を取得した. また,2波長の再生像の位相差を計算することで人差し指の表面形状を取得できた.しかしながら,再生像における振幅および位相情報は生体内部における多重散乱によりかなり劣化しており,計測誤差が大きく適切な時間および空間平均処理が必要であるといることがわかった.平成24年度,光学系にファイバ付き半導体レーザーを導入したことにより,小型で簡便かつ低コストなディジタルホログラフィ血流計測システムが実現された.
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Research Products
(14 results)