2013 Fiscal Year Annual Research Report
雷空電の球面波伝搬効果解明とポータブル雷モニタへの応用展開
Project/Area Number |
23760367
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾崎 光紀 金沢大学, 電子情報学系, 准教授 (70422649)
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Keywords | 自然電磁波 / 小型化 |
Research Abstract |
本年度は、ポータブル雷モニタの小型化のために、特にアナログ回路の小型化について、複数のアナログ回路をCMOSデバイスで一つの集積回路にまとめたアナログASIC(Application Specific Integrated Circuit)導入の検討を行った。雷から放射される電磁波(雷空電)の主な周波数帯は数十kHz以下であり、このような低周波ではCMOSデバイスのフリッカ雑音が支配的となる。フリッカ雑音は、MOSトランジスタのサイズを大きくすることで低雑音化が可能であるが、一般的に同じサイズであればバイポーラトランジスタの方が、電圧雑音が小さく低雑音特性を有する。一方で、MOSトランジスタは、電圧雑音特性は悪いが、電流雑音特性はバイポーラトランジスタのpA/√Hzオーダーに比べてfA/√Hzを有し、極めて低い電流雑音特性を有している。このように、MOSトランジスタの低電流雑音特性に着目し、雷空電の誘導電流を検出する電磁界センサとCMOSデバイスを用いたアナログASICプリアンプを用いることが有効であると分かった。 実際に5 mm角のチップに4入力分の超低雑音電流アンプ、ゲイン調整アンプと定電圧回路を含んだASICプリアンプと誘導電流を検出する電磁界センサ(長さ10 cm)を用いてセンサ感度を測定したところ、1 kHzで40 fT/√Hz、10 kHzで80 fT/√Hzの特性を得た。これらは、従来の電磁界センサとディスクリート部品で組まれたアナログ回路による感度特性と同等の性能である。よって、アナログASICにより従来と同等の感度を有しながら、システムのアナログ部を極端に小型化可能であるという有益な技術指針を得た。
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Research Products
(2 results)